富士通は11月27日、道路や橋梁、トンネルなどの社会資本に関する公共データを、コンピュータで処理できる形で開放(オープンデータ化)し、新たな価値を加えて民間に提供することで得られる効果と実用性を検証する実証事業を、佐賀県と福岡市の協力のもと、2013年12月9日から2014年3月まで行うと発表した。

富士通は今回、地方自治体が保有する社会資本の諸元や点検結果、入札情報、電子納品などの情報と、日本建設情報総合センターが保有する工事実績情報、およびソーシャルメディアや地方自治体に寄せられた社会資本に関する要望や苦情の集約とオープンデータ化のための社会資本情報流通連携基盤システムを構築した。

このソリューションは、建設年次、工法、工事履歴、図面情報などの社会資本情報を一元的に管理でき、建設年次、整備年次の一覧表示、老朽化の見通し、部材の劣化予測など修繕費の全体計画や、更新計画の策定、実施時期の精査による予算の平準化といった業務に活用できる機能を装備しており、効率的な社会資本の管理が可能となる。

さらに、社会資本情報流通連携基盤システム上で集約された情報を分析し、佐賀県との協働のもとで民間向けの公共事業に関するマーケティング情報、社会資本の図面情報、福岡市との協働のもとで通学路総点検結果などを提供するための3種類のサービスを提供するシステムを構築した。

システムの概要

公共事業に関するマーケティング情報提供サービスは、土木・建設業者向けに、画面に表示された地図上の社会資本をクリックすると、その社会資本の建設年次、工法、工事履歴、図面情報などの情報を参照できるサービスや建設年次、工法、工事履歴などに基づいて、土木・建設業者のマーケティング対象を可視化するサービスを提供。

社会資本の図面(諸元)情報提供サービスでは、運送業者、地図業者を対象に、画面に表示された地図上の道路をクリックすると、特殊車両などの運行ルート選択などに必要となる道路の図面情報を参照できる。

そして、通学路総点検結果公開サービスでは、福岡市民を対象に、画面に表示された地図上の通学路をクリックすると、危険箇所などの口コミ情報や、歩道、ガードレール、照明灯などの安全施設設置状況などを参照できる。