アジア太平洋のプレス/アナリスト向けテクノロジー・カンファレンス「NetEvents APAC Cloud Summit」が11月20日、21日にシンガポールで開催された。2日目の講演では、Cloud Ethernet Forum プレジデント James Walker氏が「CEFとクラウドサービスに関する認証制度の展望」について講演を行った。
CEFは、Metro Ethernet Forum(以下MEF)からスピンアウトして2013年3月にカリフォルニアに設立された。MEFがEnd to Endサービスを提供し、CEFはクラウドサービスに焦点を当てて活動を行うといった住み分けが行われている。
CEFでは「仮想化」、「自動化」、「セキュリティ」、「プログラマビリティ」、「分析方法」といったそれぞれの作業分野で5つの基礎原則を作成。この原則にのっとってそれぞれの部会を運営し、ルールや仕様を確定するという。
James氏は「ただ、CEFが描く未来を実現していくにはいろんな分野の個人や企業の協力が必要になる」と述べた。
グローバルクラウドサービスの認証制度は、近い将来日本をも巻き込んでいく
James氏は、「サービスプロバイダが実際に抱えている問題として、例えば金融機関の個人情報をどのように管理したら良いか、といった問題があるとする。それをどのように解決していくかを、それぞれの研究部会で討論し、解決方法を提案する。」とこれまでの活動の一部を説明した。
現在CEFには、エクイニクスやジュニパー、シトリックスやHP、ファーウェイといった17企業が参加している。James氏は「現在さらに40社に声をかけており、企業名はまだ明かせないが、日本の企業にもいくつか声をかけている」と説明、日本での活動も示唆している。
James氏は、クラウド市場について「ネットワークとデータセンターを合わせた物をクラウドと定義。そのクラウドやモバイルアプリ、M2Mといった産業は2016年には2兆ドルを超える」と市場展望を語った。
そして、「CEFの役割として、ベンダー向けの相互運用性と迅速なサービス展開を保障するオープンクラウド認定団体として、認証制度や規格を設立。そして、各企業と提携しながら情報発信を行っていく」と述べた。
加えて「認証制度や規格を確立することで、サービス提供側は開発コスト抑え一定のサービスレベルを担保でき、サービス導入側は導入コストを抑え、安心して製品を利用することができる」とCEFの存在意義を強調した。
さらに、James氏は、「現在のレイヤ2技術のアプローチは、大規模で分散した仮想マシンとストレージ環境をサポートしていない」とし、「ますます複雑化するL2/L3の相互作用に依存して、非常に大規模な仮想マシン環境をサポートするためのサービスをCEFが認証し、費用対効果の高いソリューションをクラウドサービスプロバイダに提供していく」と述べた。