日野自動車は11月21日、機能を追加した衝突被害軽減ブレーキ(PCS:プリクラッシュセーフティ)など、先進安全技術を開発したと発表した。今後、大型トラックや大型トラクタ、大型観光バスに搭載して2014年春より発売する予定。

今回開発した安全技術は4つ。1つ目はPCSで、先行車に対する追突回避を支援する機能を追加した。PCSは、レーダで前方の車を検知し、距離や速度から衝突が避けられないと判断するとシステムがブレーキをかけて衝突時の速度を低減する。今回のシステムでは、走行している車両に対して追突回避を支援することも可能にした。

2つ目は、自車の走行車線からはみ出すと警報する「車線逸脱警報装置」。今回のシステムでは、車線を検知するカメラの性能を向上させ、警報のタイミングの精度をさらに高めた。

3つ目は、ドライバーの閉眼や顔の向きを検知して警報する「ドライバーモニター」。同技術は、ドライバーの眼の開閉状態や顔の向きをモニターし、一定の時間、眼を閉じていたり正面を見ていない状態が続くとドライバーに警報するとともに、先行車がいる状態ではPCSの警報タイミングを早める。今回のシステムでは、サングラスを着用している場合でも眼の開閉状態を検知できるよう、カメラの性能をさらに向上させている。

4つ目は、トレーラーの積荷の偏りによるトラクターの傾きを計測する「左右バランスモニター」。積荷の偏ったコンテナを搭載した場合に生じるトラクターの傾きを計測し、あらかじめドライバーが設定した傾きを超えた場合にはドライバーに注意を促す。これにより、積荷の偏った状態で走行することによる危険の軽減に寄与する効果が期待できるという。

このうち、「PCS」と「車線逸脱警報装置」、「ドライバーモニター」は大型トラックや大型トラクター、大型観光バスに、「左右バランスモニター」は大型トラクター(海上コンテナ用車型)に搭載される予定。