アイシェアは11月20日、全国の企業経営者層500名を対象に行った「現代企業のスマートデバイスの業務活用実情調査」の結果を発表した。この調査は、スマートフォンをはじめとするスマートデバイス活用における経営メリット、課題等を把握することを目的に行われた。
企業の業務でのスマートデバイス活用状況については、「活用している」12.0%、「やや活用している」19.8%、「あまり活用していない」26.8%、「活用していない」41.4%と活用が進んでいない結果が明らかとなった。
また「スマートデバイスを業務に積極的に活用したいと思うか」という質問に対しては、「思う」18.2%、「やや思う」34.8%となり、53.0%が活用をしていきたいという意向を示し、活用状況と活用意向に差が生じる結果となった。
スマートデバイス活用企業の中で、過去3年間の業績が成長傾向であると答えた経営者は「成長傾向」「どちらかといえば成長傾向」の65.0%、非活用企業で成長傾向と答えた経営者は「成長傾向」「どちらかといえば成長傾向」の24.2%と、スマートデバイス活用企業と非活用企業では、企業の成長傾向に大きく差があることが明らかとなった。
「過去3年間での業績は成長傾向か」という質問に対しては、成長傾向34.2%(「成長傾向」9.8%、「どちらかと言えば成長傾向」24.4%)、「普通」38.4%、非成長傾向27.4%(「どちらかと言えば非成長傾向」19.8%、「非成長傾向」7.6%)という結果となった。
成長傾向と回答した経営者に企業の成長要因について聞いたところ、「製品・サービス力」59.6%、「人材育成」38.6%、「組織力」33.9%、「経済動向(景気など)」25.7%、「ITの活用」14.0%、「政治動向」4.7%の順の結果となった。
企業の成長要因ごとに、経営者の業務でのスマートデバイス活用状況を調べたところ、「製品・サービス力」を理由に挙げた経営者では、スマートデバイスを自ら活用する経営者は29.4%であったのに対し、「ITの活用」を理由に挙げた経営者では、スマートデバイスを自ら活用する経営者は62.5%となり、「ITの活用」を成長要因と挙げる経営者ほど、経営者自身がスマートデバイスを業務で積極的に活用していることが分かった。
「企業でどんなスマートデバイスを業務に活用していますか」という質問に対しては、「スマートフォン」46.1%、「タブレット」43.3%、「自社独自のデバイス」6.5%と、スマートフォンの活用が一番多いことがわかった。
「企業でスマートフォンの業務活用は進んでいるか」という質問に対しては、「進んでいる」6.8%、「やや進んでいる」23.8%、「あまり進んでいない」28.2%、「進んでいない」41.2%と、全体としてあまり進んでいない現状が明らかになった。
一方で、スマートフォンの業務活用が「進んでいる」企業は、85.3%の経営者が自らスマートデバイスを「活用している」と回答。スマートフォンの業務活用が「進んでいない」企業では、経営者がスマートデバイスを自ら「活用している」は2.9%であり、経営者自身のスマートデバイス活用状況が企業におけるスマートフォン活用の進み度合いに大きく影響していることが分かった。
スマートフォンの業務活用が「進んでいる」「やや進んでいる」と回答した企業に「スマートフォン活用の現状の課題は何か」を質問したところ、「運用コストが高い」29.4%、「セキュリティにおける不安」45.8%、「従業員が使いこなせていない」12.4%、「特にない」12.4%、となり、セキュリティとコストが主な課題となっていることが明らかになった。