Mozilla Foundationは11月21日、2012年の財務報告書を発表した。売上高は前年の90%増で成長したが、「Firefox」が提供する検索ボックスに検索エンジンが支払うロイヤリティのうちGoogleが占める比率が9割に達しているとの指摘があり、Google依存がさらに鮮明になった。
Mozillaは非営利団体として営利団体のMozilla Corporationを統括し、FirefoxブラウザやモバイルOS「Firefox OS」の開発を行っている。
2012年の売上高は3億1100万ドル、これは前年の1億6347万ドルから90%の増加となった。このうち、検索エンジンプロバイダーからのロイヤリティは前年から9割近く増加して3億453万ドル、売上げの98%に相当するレベルとなった。
FirefoxはGoogle、Microsoft(Bing)、Yahoo!などの検索も提供しているが、Googleはデフォルトとなっている。報告書でMozillaは「ある検索エンジンプロバイダ」とGoogleを指しながら、Googleがロイヤリティに占める比率を2012年は90%としている。これは2011年の85%からの増加となり、Google依存の状態が続いているといえる。Mozillaは2011年11月にGoogleとの契約を更新しており、現在の契約期間は2014年11月まで。
Googleは「Chrome」ブラウザでFirefoxと競合関係にある。また、Mozillaは今年よりFirefox OSを本格化しており、スマート端末においても「Android」に対抗する形だ。
Mozilla会長のMitchell Baker氏は「Mozillaは、世界が必要とするインターネットを構築するという共通の目標を持ったグローバルコミュニティ」「製品の開発、コミュニティのエンパワー、教えと学び、環境の整備を通じて行っていく」とし、これを現実にしていくにあたってビジョンとチャンスを持つのはMozillaだけ、とコメントしている。