MediaTekは11月21日、ハイエンドスマートフォン/タブレット向けに8コア処理が可能なモバイルSOC「MT6592」を発表した。
同製品は、高い演算能力によって、ハイエンドスマートフォン、タブレット用に優れたゲーム性能、マルチタスク、Webブラウジング性能を提供する。モバイルデバイス向けに費用対効果を高めた独自のクアッドコアモバイルプラットフォームに基づいて製造されており、2013年末までにAndroidのJelly Beanデバイスで利用できる見通し。また、AndroidのKit-Kat搭載デバイスで利用できるのは2014年初頭になる予定。
「MT6592」は、28nm HPMプロセスに基づいて製造されており、最高クロックスピード2GHzを有する8個のCPUコアを持つ。このオクタコアアーキテクチャはスケーラブルであり、いかなる組み合わせでも8コアのすべての能力を引き出すことによって、低電力のタスクでも困難なタスクでも同等に効果的な処理を行う。また、独自のスケジューリングアルゴリズムは、常に温度と電力消費をモニタし、最適な性能を確保することを可能にするとしている。
また、クアッドコアグラフィックスエンジン、ウルトラHD(4K2K) H.264のビデオ再生をサポートする先進的ビデオ再生システム、H.265、VP9などの新しいビデオコード、1600万画素カメラ、フルHDディスプレイのサポートなど、高性能なマルチメディアサブシステムを備えている。これらに加え、独自のClearMotion技術を搭載、標準の24/30fpsビデオを高品質な60fpsビデオに自動的にフレームレート変換してスムーズな再生を実現する。そして、モバイル性能をさらに強化するため、マルチモードセルラーモデムをはじめ、デュアルバンド801.11n Wi-Fi、Miracastスクリーンシェアリング、Bluetooth、GPS、FMチューナなども組み込まれている。
この他、「MT6592」を含む同社のモバイルSoCには、ヘテロジニアスコンピューティング(HC)アーキテクチャが使用されており、性能を最適化するため、作業負荷を異なる種類のプロセッサと他の特定の演算エンジンに分散させる。HCビルディングブロックには、CPUやGPU、DSP、マルチ接続エンジン、複数のマルチメディアエンジン、カメラエンジン、ディスプレイエンジン、ナビゲーション、センサコアが含まれている。