大日本印刷(DNP)と米Photronicsは11月20日、台湾におけるフォトマスク事業を統合するため、DNPの子会社「DNP Photomask Technology Taiwan(DPTT)」をPhotronicsの子会社「Photronics Semiconductor Mask(PSMC)」に吸収合併して、合弁会社を設立すると発表した。

DPTTは、DNPの台湾におけるフォトマスク製造工場として、2010年4月に稼動を開始し、台湾国内および東南アジアの半導体メーカーに対して、主にロジック向け最先端フォトマスクを供給してきた。しかし、世界的な半導体市場の構造変化の中で、DPTTを取り巻く経営環境は厳しさを増しており、東南アジアを中心とした海外市場において、幅広い営業体制および製造環境の整備と安定的な販売ルートの確立が求められていた。

今回、最先端フォトマスクの製造技術を持つDPTTと、台湾・東南アジア市場における幅広い顧客層と製品供給力に加え、メモリ向けフォトマスク製造技術に強みを持つPSMCのそれぞれの事業を統合することで、両社のフォトマスク事業の競争力強化を図ることにしたという。

合併は、DPTTが消滅会社となり、PSMCを存続会社とする吸収合併方式を採るため、合併後DPTTは解散する。また、PSMCは「Photronics DNP Mask」に社名を変更し、Photronicsが株式の50.01%を保有する同社の連結子会社となり、DNPが株式の49.99%を保有する持分法適用会社となる。

なお、合併の効力発生日は2014年3月31日を予定しているが、台湾およびその他の国における独占禁止法上の手続きなどにより、同日以降となる可能性があるとしている。