ヨコオは11月19日、高周波検査用治具向けに40GHzに対応した中継コネクタを開発したと発表した。12月下旬より市場投入する予定。
近年、さまざまな高速インタフェース規格が登場し、シリアルデータ通信分野を中心に電子製品の急速な高周波化が進んでいる。このような製品の基板に搭載された高周波モジュールや高周波基板の特性評価は、同軸コネクタを被検査基板に接続して行うのが一般的だが、その都度、専用の治具を用意する必要があり、時間とコストが掛かっていた。
同社ではこうした問題の解決に向け、専用の治具が不要で、RF基板端部の信号線へ接続するだけで手軽に測定可能な中継コネクタを開発し、これまでSMAコネクタ使用の18GHz対応品、およびVコネクタ使用の65GHz対応品を市場投入してきた。今回、さらに中間帯域へのニーズに応えるため、Kコネクタ用に同軸構造を最適化すべく、40GHz対応品を開発したという。
「PC-K」は、RF基板端部の信号線への接続中継コネクタで、18GHz(SMA)/65GHz(V)対応品の作業性をそのままに、比較的入手性の良いKコネクタ出力とし、40GHzまで対応の標準検査治具として使用できる。また、繰り返し使用しても、安定した高周波測定精度が得られ、低周波数帯域でのリップルも生じない。さらに、信号線の構造はマイクロストリップ構造だけでなく、基板表面にGND層を持つコプレーナ構造にも対応可能となっている。この他、対応する基板の厚みは2.0mm以内、製品幅はKコネクタと同じ12.7mm幅となっている。
スライドレール付きの「PC-K-SR」は、「PC-K」に前後スライド可能なレールを取り付けたタイプ。多ポートの被検査製品検査の際に、スライドレールに施されたアリ溝により、芯線を互いに同一線上もしくは直交するようコネクタを配置することができるため、位置合わせ作業が容易になる。特に、信号線幅の細い基板での位置合わせに効果を発揮する。また、レール同士の嵌合組み合せにより四角形の基板の4辺全てに対し、コネクタ芯線を直角に合わせることが容易となっている。対応周波数、基板厚み、製品幅は「PC-K」と同様である。