情報処理推進機構(IPA)は11月20日、Embedded Technology 2013(ET2013)にて、高機能な「コンシューマデバイス」を開発するための取り組みとして、新しい開発方法論の国際標準化を目指し、国際標準化団体「Object Management Group(OMG)」へ提案を行ったことを発表した。
ここで取り上げられてるコンシューマデバイスとは、自動車、サービスロボット、スマートハウス、スマート家電など、一般の消費者が利用する高機能組込機器を指し示しており、多くの利用者がいること、さまざまな環境で使われることなどが産業機械との大きな違いとして挙げられるという。
IPA 高信頼化センター ソフトウェアグループリーダーの中村雄三氏は、新しいコンシューマデバイスの開発を実現する方法論として、安全性と効率性を兼ね備えた「ディペンダビリティ」を保障することが重要であることを強調。提案された新たな開発方法論では、多くの日本の自動社メーカーなどが推進してきた「すり合わせ型」による開発方法論を取り入れており、同氏は「新たな方法論の国際規格化は日本企業の競争力の強化につながる」とも述べている。
具体的なスケジュールとしては、11月11日にトヨタ自動車、産業技術総合研究所、富士通、電気通信大学と共同でOMGに新たな開発方法論を提出。その後、12月のOMG技術委員会にて、同方法論が審議され、IPAより変更提案が2014年3月と6月に再提出され、9月に結果が出る予定となっている。
発表会に同席したトヨタ自動車の石崎氏は「電子制御技術が複雑化する中、制御の安全性を保障することに膨大な工数が必要となっている。今回の日本的すり合わせ開発を反映した国際安全保障規格により、効率化と安全性の強化が両立できることを期待している」とコメントした。