地球上での測量や人工衛星の観測などによる“地理空間(Geospatial)情報”を活用した最新の製品や技術を紹介展示する「G空間EXPO 2013」が14日、日本科学未来館(東京都江東区)で開幕した。16日まで。
“G情報”の活用技術は、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーと並び、将来の発展が期待される重要科学技術分野の一つとされる。「G空間EXPO」は産官学が連携して、同技術の利用、活用を図る場として2010年、12年にパシフィコ横浜で開催していたが、今回は日本未来科学館に会場を移し、対象を子供たちにも広げるなどして、最先端の技術を“見て”“触れて”“学べる”イベントにリニューアルした。
同館1階の企画展示ゾーンには、企業や大学、省庁の研究機関など64団体が出展した。現在のGPS(全地球測位システム)を補完する日本の準天頂衛星「みちびき」の紹介や、航空機からのレーザー計測で得られた富士山と周辺の地形を詳細に示す3次元動画の放映ブースなどがあった。また、地震の発生が予想されている静岡県沖から紀伊半島、四国、九州の沖合に至る「南海トラフ」の海底地形図(長さ6メートル)が会場の床に敷かれ、来場者らは用意された3Dメガネをかけて、熱心に見入っていた。
1階メインステージでは、同日午前10時から国土交通省の高木毅・副大臣らが出席して開会式が行われ、続いて、専門家らによる“G空間社会”についての講演などがあった。同ステージでは連日幾つかのトーク企画が組まれ、16日は「旅と生活を演出する女子地図」のタイトルで、モデルで女優のKIKIさんと企業の女子社員らが「女性ならではのストリーマッピングの可能性」について話し合う。司会はDJ TAROさん。また16日は、海上保安庁の大型測量船「拓洋」(2,400トン、全長96メートル)も同館近くの「船の科学館」前の桟橋で一般公開される。
さらにEXPO会場では、カメラを搭載したバルーンによる空中撮影の紹介や、歩幅で正確に距離を測る「歩測大会」、ロボットと連携する屋内歩行者ナビなどの体験・体感イベントも行われ、子供たちにも大好評だ。主催者側では、3日間で15,000人以上の来場者を見込んでいる。