Cypress Semiconductorは11月11日(米国時間)、広帯域幅ビデオアプリケーション向け72Mビットビデオフレームバッファ「CYFB0072」を発表した。

同製品は、独自のSRAM技術をベースとし、高速データ転送を実現する独立した読み取りポートと書き込みポートを備えたFIFO(First-In First-Out)メモリとして動作する。また、実装およびデバッグ作業を軽減するSRAMベースのインタフェースを提供し、市場投入までの時間短縮およびエンジニアリングコストの削減に寄与する。

高精細ビデオは、民生電子機器市場で人気が高まるとともに、医療および軍事アプリケーションにおける利用も増加している。「CYFB0072」は、これらの市場で標準的に使用されているDRAMベースのFIFOメモリを代替するもので、シグナルインテグリティが強化されており、最高動作周波数が133MHz、最高スループットが4.8Gbpsと、ビデオフレームのバッファリングで一般的に必要とされる性能をサポートしている。また、複数のクロックドメインにわたって、高速バッファリングが必要な全てのシステムにて動作可能であり、HDカメラのPIP(Picture-In-Picture)やインターレース、放送機器のスキャン速度変換、医療機器における画像のスキャンと補正、軍事システムのレーダやソナーなど、幅広いビデオおよび画像処理アプリケーションに最適となっている。

また、同製品はバス幅36ビットで構成されている。DRAMベースのバッファソリューションとは異なり、-40℃~+85℃の温度範囲で動作し、外付けの水晶振動子は必要ない。同デバイスは、LVCMOS(低電圧CMOS)で提供され、3.3V動作の「CYFB0072V33L」と1.8V動作の「CYFB0072V18」がラインナップされている。

なお、パッケージは14mm×22mmサイズの209ピンBGA。現在、量産出荷中。

Cypressの72Mビットビデオフレームバッファ「CYFB0072」