IDC Japanは11月13日、国内企業ユーザーのネットワークに関する「2013年企業のネットワーク機器利用動向調査」の調査結果を発表した。IDCが毎年実施しているネットワーク機器に関するデマンドサイドの調査で、7月~8月に国内企業805社を対象に実施した。

調査によると、企業ネットワークの傾向として、無線LAN利用が拡大傾向を続けているという。すでに無線LANを利用している企業のうち53.7%は、今後無線LANの利用を拡大するという。無線LANの新規導入や利用拡大の理由としては、タブレット端末の企業内での導入をあげる比率が高まっていることが挙げられる。

IDCではほかに、企業ネットワークを流れるトラフィック動向についても調査を行っている。同調査の対象になった企業のおよそ50%は、この1年間で企業ネットワークを流れるトラフィックが増加したと認識している。トラフィック増加の原因としては、ユーザー数の増加やファイルサイズの増加が上位に挙げられているほか、「ファイルサーバの集約」や「デスクトップ仮想化の導入」も原因として認識されていることが明らかになった。

また、ネットワーク機器市場において高い関心を集めているSDNに関する企業ユーザーの認知動向も調査。全体の30.2%が、SDNに関して大まかに概要を認知しており、大企業では45.0%に達した。SDNを導入するメリットとして期待していることは、「ネットワーク機器の一元管理」や「ネットワーク構築の迅速性や柔軟性」だという。

従業員規模別のSDNに対する認知

IDC Japan コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの草野 賢一氏は、SDNに関連するソリューションを提供するベンダーに対して「企業ユーザーがSDN導入の価値として認める、ネットワーク機器の一元管理やネットワーク構築の迅速性/柔軟性のような、企業ネットワークの運用管理性向上やビジネスへの寄与度を高めるネットワークの実現といった本質的価値の訴求に注力すべきである」と述べている。