日本マイクロソフトとAgoopは11月13日、スマートフォンのアプリを通じて蓄積されるビッグデータから抽出した流動人口データを、Windows Azureベースで提供すると発表した。
日本マイクロソフトとAgoopは協業でサービス展開を行う。これにより、今までの流動人口データの2つの大きな課題であった「位置情報の正確性」と「プライバシーの保護の問題」を克服し、より安全性が高く、正確なデータの提供を実現するとしている。
このサービスを活用することにより、企業や自治体などは、今まで画一的に扱われてきたエリアの流動人口による価値を、より細かい区画や通りといった単位で把握することができる。また、流通・飲食チェーンの出店計画などビジネスの投資判断や、自治体の都市計画、観光地における動的な人口情報の把握などにおいて、より正確なデータを基に意思決定することが可能となる。
同サービスの提供データは、Agoopが提供するスマートフォン向け各種チェッカーアプリによって測定した位置情報データを基に特定地点における流動人口を算出するため、今までの流動人口データに比べて格段の精度向上を実現しているという。例えば、人の通行量の多い通りと少ない通りが交わる交差点がある場合、今までの計測方法ではその交差点全体が通行量が多い場所として表現される場合があったが、今回の仕組みでは通行量の多い通りと少ない通りを判別できるようになった。
さらに、その位置情報のみを利用することに同意したエンドユーザーのスマートフォン向けに提供される各種チェッカーアプリから収集され、その位置情報のみを集計し、個人情報を一切含まない統計情報として提供される。このデータに対してMicrosoft SQL Serverのデータマイニングエンジンを利用して、位置情報によるクラスタ化を行い、属性情報の割り当てを行う。このマイニング技術により、年齢・性別・住所といった実プロファイルを利用することなく、位置情報履歴だけで属性情報を推察することが可能となった。
同サービスでは、情報の即時利用を希望するユーザーに最適化された流動人口データを提供するほか、自らの切り口で流動人口データを分析したいユーザーに対してデータベースへのアクセスを提供するDaaS(Database as a Service)を、データ活用のコンサルティングと合わせて提供する。
今回の協業では、Agoopが情報提供方法を設計し、日本マイクロソフトがその実現方法をビジネスモデルからクラウド実装まで支援することで実現したという。
両社は、ビッグデータ活用を検討している顧客企業に対して本サービスを共同で提案し、データ活用からシステムの構築までを支援する。本サービスは月額80万円から、初年度は100社導入を見込んでいるという。