ゼットエムピー(ZMP)は11月13日、単眼カメラによる歩行者・車両検出実験キット「RoboVision Single実験キット」およびそのエントリー版の「RoboVision Single実験キットLite」の販売を開始することを発表し、同日より受注を開始した。
同製品は、同社が2009年より発浴びしているステレオカメラによる画像認識モジュール「RoboVision」シリーズの1つで(今回はステレオカメラではないが)、単眼カメラ、高性能グラフィックプロセッサ(GPU)、および学習と検出を行うアプリケーションから構成され、機械学習による歩行者(画像1)や車両(画像2)の検出をすぐに実験することが可能だ。単眼カメラによる画像認識のニーズが増えていることから、同製品を開発したという。
なお同製品は、機械学習および検出を行うためのハードウェア・ソフトウェアがそろっているため、プログラミングの必要がなく、すぐに利用可能である点も特徴となっている。
自動運転や先進運転支援システムにおいては、歩行者や先行する車両の検出が重要であり、単眼カメラによるオブジェクト検出の代表的な手法として、「HOG(Histograms of Orientied Gradients)特徴量抽出」、機械学習の手法の1つである「サポートベクターマシン(SVM:Support Vector Machine)」によるしきい値学習などがある。
同製品は学習段階においては、まず撮影した画像からトレーニングデータを作成しHOG特徴量を算出しSVMを構築、検出段階では、汎用的な開発環境である高性能グラフィックプロセッサ(GPU)を用いることで、リアルタイムに歩行者・車両の検出を行う仕組みだ(画像3)。
また同製品の用途例としては、運転支援システムにおける歩行者の検出、衝突回避・オートクルーズのための先行車両の検出、単眼カメラシステムのアプリケーション検討、自律移動ロボットのビジョンシステム開発などとなっている。
製品ラインナップは2種類で、エントリー向けGPUのNVIDIA製「Geforce GTX650Ti」を搭載した「RoboVision Single 実験キットLite」が34万6500円、ハイエンドGPUのNVIDIA製「Geforce GTX TITAN」(画像4)を搭載した「RoboVision Single 実験キット」が49万8750円となっている。
RoboVision Single実験キットおよび同Liteの価格とシステム構成、動作環境は以下の通りだ。両者の違いはGPUと価格のみで、あとは一緒だ。
価格とシステム構成
RoboVision Single実験キット Lite
- カメラ:Logitec HD Pro Webcam C920
- GPU:NVIDIA Geforce GTX650Ti(CUDAコア数(SP):768)
- アプリケーション:トレーニングデータアプリケーション、リアルタイム検出アプリケーション、サンプルトレーニングデータ(歩行者、車両)※CD-ROMに収録
- 価格:34万6500円
RoboVision Single実験キット
- カメラ:Logitec HD Pro Webcam C920
- GPU:NVIDIA Geforce GTX TITAN(CUDAコア数(SP):2688)
- アプリケーション:トレーニングデータアプリケーション、リアルタイム検出アプリケーション、サンプルトレーニングデータ(歩行者、車両)※CD-ROMに収録
- 価格:49万8750円
ソフトウェア動作環境
- OS:64-bit Linux Mint14/Ubuntu12.10/GPU開発環境:CUDA5.0以上
なお同社は東京モータショー2013において、今回の製品をベースとしたデモンストレーションを行う予定だ。日程は、11月25日(月)11時45分から12時45分まで、翌26日(火)10時30分から11時30分まで。