Cadence Design Systemsは11月12日(米国時間)、デバイスの消費電力の課題を解決するため、超大規模なパワー解析を実現する「Voltus IC Power Integrity Solution」を発表した。
同製品は、独自の新技術と、ICやパッケージ、PCBおよびシステムツールとの統合をベースに構築されており、消費電力に関する課題に対して優れた管理を行い、より短期間で設計の収束を達成できるという。
具合的な機能としては、競合製品と比較して最大で10倍の拡張性を有する大規模分散型並列パワーインテグリティ解析エンジン、精度の高いパワーサインオフ結果をもたらすSPICE精度のソルバテクノロジなどを備える。また、並列処理との組み合わせで、複数のCPUコアおよびサーバまで拡張できる階層アーキテクチャにより、最大で10億インスタンスまでの設計解析が可能となる。さらに、早期レール解析、デカップリングキャパシタンスおよびパワーゲイティングスイッチなど、フィジカルインプリメンテーションの品質を向上させ、設計の収束をスピードアップするフィジカルを考慮したパワーインテグリティ最適化機能を有する。「Voltus IC Power Integrity Solution」は、これらの機能を単体の製品としても提供しているが、同社の他のツールと統合された場合には、さらに大きな利点を得ることができる。
「Tempus Timing Signoff Solution」との併用では、より迅速なタイミング収束とパワーインオフを実現する電気的統合サインオフソリューション、「Encounter Digital Implementation System」と「Allegro Sigrity Power Integrity」との組み合わせでは、チップ、パッケージおよびPCBを網羅したパワーインテグリティソリューション、「Virtuoso Power System」との統合では、アナログミックスシグナルSoC設計上のカスタムアナログIP解析機能、「Palladium Dynamic Power Analysis」との併用では、実際に使用するソフトウェアなどのデータを入力し、高精度のICチップのパワーインテグリティを解析する機能などを実現している。
「Voltus IC Power Integrity Solution」はすでに提供を開始している。