アドビ システムズは13日、フジテレビジョンのスポーツニュースVTR室が、Adobe Creative Cloudで提供されている映像編集ソフト「Adobe Premiere Pro CC」を23式採用したと発表した。同社は2014年に開催されるソチ五輪での本格稼働を目標に、12月から運用を始めるという。
フジテレビジョンは同製品の採用理由として、映像制作の現場をサポートする優れた機能と高いクオリティ、そしてユーザーの要望に対応するアドビの企業姿勢や企業としての信頼性を挙げている。同社の佐藤光雄氏(技術開発局次長 兼 計画部長)も「スポーツが持つダイナミックさや疾走感など感動を与える映像を届けるためには合成との連携も重要なポイントになります。今回、アドビの製品にはこの合成機能が他と比べてとても充実していたことが決め手の一つとなりました」などと述べた。
またアドビは、同じく放送事業者である毎日放送も「Adobe Premiere Pro CC」の採用を決めたと発表。同社は本製品を制作システムとして42式採用し、2014年4月の新社屋オープンにあわせて稼働するという。採用理由としては、今後新たに導入するシステムやこれまで使用してきた編集ツールとの連携性、またQuickTimeやXAVCといったファイルフォーマットへの安定した対応を挙げており、今後同社は、情報番組やバラエティー、特別編成ドラマの番組制作にAdobe Premiere Pro CCを使用する予定とのこと。同社の寺下智氏(技術局制作技術センターポスプロ担当副部長)も、「Final Cut Proとの親和性を重視しました。長く使用してきた者も多いので、操作性が近いというのは、とても重要なポイントだった。また読み込みと書き出しの両方に対応できることも評価されました」と述べている。
アドビによると、常に最新の技術が求められる映像制作の分野で、ファイルベースワークフローの本格的な到来と将来を見据えた映像制作システム構築を検討する放送局が増えているといい、放送業界でも「Adobe Premiere Pro CC」および「Adobe Creative Cloud」の導入が進んでいるという。