NECは11月12日、個人に関する情報(パーソナルデータ)のプライバシー保護を、これまでより高度・高速に行う技術を開発したと発表した。

現在、パーソナルデータを企業内で共有したり第三者に提供したりする際には、個人を特定する情報を削除して匿名化するなど、慎重な取扱いが求められている。一方、パーソナルデータから傾向や特徴を抽出するためには、一定水準のデータの精度が必要となる。

パーソナルデータは、性別や生年月日のようにひとりがひとつの情報を持つ単一値属性と、病名や投薬名のようにひとりに複数の情報が含まれる集合値属性の組み合わせで構成されており、従来は、単一値属性と集合値属性を別々に匿名化していたため、精度や安全性に課題があったという。

同社はこのほど、単一値属性と集合値属性をまとめて高速に匿名化し、データの精度を保ちながら個人が特定されるリスクを低減するアルゴリズムを開発した。

同社が一般的なサーバーで50万人規模の医療情報の匿名化にこのアルゴリズムを用いたところ、処理時間を従来の40分の1まで短縮することができたという。