エスキュービズムは2013年11月11日、ハードオフコーポレーションが新規オープンした中古品販売の店舗連動ECサイト「ハードオフNET・MALL」に、ECサイト構築パッケージ「EC-Orange」が採用されたことを発表した。
ハードオフが導入したシステムは、"一点モノ"商材であるがゆえに、ECサイト展開が困難であると認識されていた中古品市場において、ネットで情報を開示し実店舗での購買に誘導するO2O(オンライン・ツー・オフライン)ビジネスを導入することになった日本初のケースであるという。
ハードオフでは、販売先であると同時に大事な仕入れ先でもある顧客との関係性を重視して、店舗の強化を図ってきた。1店舗当たり10万人という商圏規模で店舗運営を行っていたが、各店舗にある商品とその商品を求めるユーザーが必ずしもマッチングしないケースも少なくなかったという。"一点モノ"という価値ある商品を多くのユーザーに届けたいという思いから、販売経路の拡大を図るため、エスキュービズムをパートナーとしてECサイト導入に踏み切ったとのことだ。
店舗連動型O2Oシステムを導入するにあたっては、中古品という商材ならではの課題を解決していく必要があった。店舗に陳列する"一点モノ"の商品をECサイト上に公開して同時に販売するため、ダブルブッキングが生じる可能性がある。また、「中古品だからこそ実物を見てから購入したい」というユーザーニーズに応えることも重要である。さらに、フランチャイズ店も含め、少数精鋭で運営する全国の店舗スタッフの負担軽減も必要要件のひとつだった。
エスキュービズムは、まずECサイトへの商品登録の手間を削減するため、店舗で買い取った商品をPOSシステムで登録する際に、写真の登録とECサイトでの公開を一緒に設定できるようにした。また、ECサイトから注文が入ると、プッシュ通知によって店内に設置されたディスプレイへ瞬時に情報表示を行うほか、ヒューマンエラーを回避する仕組みを管理画面に導入するなど、ハードオフの店舗実務に則したシステムのカスタマイズを実施した。
新しいO2Oシステムでは、ユーザーが気になる商品を最寄りの店舗に取り寄せて実物を確認してから購入できるという仕組みも導入している。ハードオフは、店舗の商圏外にあったユーザーへアプローチが可能となったと同時に、取り寄せた商品の受け取りを目的とした店舗への誘導効果も高まったという。