NECは、弱い電波を利用した独自のシート型センサと独自の解析技術を組み合わせ、カメラを用いることなく、人・モノの形や動きを把握するプレゼンスセンシングシステムを開発したと発表した。
今回開発したシステムは、フロア等に設置したシート表面から発する弱い電波を通じて足あと等の様子を捉えるシート型センサ、およびセンサで検知したデータから足裏の形状や向き・複数の足あとが動く方向などを把握する解析技術の組合せで構成される。
シート型センサ |
これは、表面から発する極めて弱い電波が人の歩行やモノの移動で変動する様子を捉える薄さ数ミリのセンサシートを開発することで実現した。重さや形状に関わらず物体を検出可能なため、車椅子、盲導犬、白杖等も検出できる。また、電波を用いた独自方式により、同等精度の既存センサを使用した場合と比較し、数十分の一のセンサコストで環境構築が可能だという。
また、センサから得られた情報を、NEC独自の画像認識技術を応用して足裏の精微な形状を再現。人の位置・向き、動きを捉えるとともに、一度に複数人の検出もできる。
このシステムにより、高齢者福祉施設や病院等のフロアで、高齢者や患者が人目のつかない所で倒れているなど異変の早期発見が可能になるほか、立入禁止エリアへの不審者侵入有無や侵入者の動線の把握、特定エリアの混雑状況の把握など、様々な用途に利用できるという。
同社は今後も研究開発を進め、本技術を用いたソリューションを2015年度までに実用化する予定。