日本マイクロソフトは11月7日、11月1日より提供を開始したWindows Server 2012 R2、System Center 2012 R2の機能強化点、ライセンス体系、市場およびパートナーソリューションなどを紹介する説明会を開催した。
日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 本部長 吉川顕太郎氏は、「ITを取り巻くトレンドとしてモビリティ、ソーシャル、ビッグデータ、クラウドがあるが、我々はこういった環境の変化を強く受け止めている。これらはそれぞれ相互関係があり、大きなビジネスチャンスになっている。こういった環境は、これまでのOSだけでは実現できない。そのため、弊社では、クラウドOSのビジョンを掲げており、オンプレミス、データセンター、Azureのいずれにおいても、オープンな開発環境、一元的なシステム管理、共通のID管理、共通のデータベース、基盤としての仮想化が一貫したプラットフォームで実現できることを目指している」と述べた。
日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 エグゼクティブ プロダクト マネージャー 岡本剛和氏は、Windows Server 2012 R2では200以上の新機能があるとした上で、主要新機能である「Hyper-Vレプリカ」、「階層化ストレージ機能」、「BYOD/リモートワークへの対応」、「ハイブリッドクラウド環境管理の強化」について説明した。
「Hyper-Vレプリカ」は、災害対対策としてHyper-Vの環境を別サイトに複製する機能だ。これまでは5分単位の複製だったが、R2では、30秒、5分、15分から選択可能になったほか、レプリカーからさらに別サイトへのレプリケートが可能になった。
「階層化ストレージ機能」では、SSDとHDDをまとめてプール化した上で、アクセス頻度に応じて、SSD、HDDのいずれかに保存するかを自動的に最適化する。
BYOD/リモートワークへの対応では、社内にリモートアクセスするデバイス(Windows、iOS、Android)端末を、ActiveDirectryに登録可能する「ワークプレースジョイン」が追加になった。これは、社内システムがActiveDirectryに登録されている端末からしかアクセスできないケースに対応したものだ。登録はユーザー自身で行うことが可能。
「ハイブリッドクラウド環境管理の強化」では、オンプレミスとWindows Azureの管理をSystem Centerで一元的に管理できるようになった。また、Windows Azureと同様の環境をオンプレミス、サービスプロバイダが簡単に構築できるWindows Azureパックの提供も開始されている。
仮想マシンの強化も行われ、レガシーのデバイスを排除し、システム起動の高速化を実現したほか、起動ディスクの容量をシステムを止めずに拡張できるようになっている。また、LinuxのゲストOSの対応を強化し、ダイナミックメモリ、オンラインバックアップ、オンラインVHDXリサイズが利用可能になる。
製品のエディション構成には変更がなく、Datacenter、Standard、Essentials、Foundationの4つを提供。CALも2012のものがそのまま利用できる。
Windows Server 2003のサポートは2015年7月まで
来年の4月にWindows XPのサポートが終了するが、説明会ではWindows Server 2003のサポートも2015年7月14日で終了することが、あらためてアナウンスされた。吉川氏は、IDC Japanの調査資料を基に、45万台のマイグレーション機会があるとした。
大塚商会では、移行計画導入後までのサポートメニューを用意し、移行をサポートするという。大塚商会 TSC MSソリューション課 課長の板垣智和氏は、サーバ移行はクライアントに比べ時間がかかり、いまからはじめても早すぎることはないと警告した。