フィリップス エレクトロニクス ジャパンは11月7日、同社の次世代PET/CT装置「Ingenuity TF PET/CT」シリーズとして64スライスCT品および128スライスCT品の2機種の販売を、日立メディコを通じて11月8日より開始することを発表した。

同シリーズは、同社の独自技術であるTime-of-Flight(ToF)テクノロジーを採用した「Astonish TF」により、従来のNon-ToF画像に比べ、最大5倍の感度と最大30%のコントラスト分解能向上を実現しており、呼吸同期を組み合わせた4D-ToFでは、最大50%のコントラスト分解能向上が可能になるとするほか、従来装置と比べて検査時間の短縮を図ることが可能になるとする。

また、新たに開発されたPoint Spread Function(PSF)技術との組み合わせによりさらなる分解能向上が可能となるほか、画質を維持したまま被ばく線量を最大80%低減できる第4世代の逐次近似法を用いた画像再構成法ユニット「iDose4」や金属アーチファクト抑制技術「O-MAR」による画像欠損を抑え安定した画像提供が実現されている。

さらに、再現性の高い操作環境を届ける新しい操作インタフェース「iPatient」により、さまざまな状況に合わせたプロトコルをカード化、検査効率を向上することが可能となっている。

加えて、同シリーズとサーバ型解析ワークステーション「IntelliSpace Portal」を組み合わせることで、PET装置、CT装置、SPECT装置、MRI装置などの画像を同一プラットフォーム上で処理できるようになり、操作性を向上させることが可能になるという。

なお同シリーズの希望販売価格は64スライスが15億円~、128スライスが18億円~(いずれも仕様により価格は変動)で、国内初年度の販売目標台数は2機種合わせて約10台を見込んでいるという。

Ingenuity TF PET/CTの外観

Ingenuity TF PET/CTで撮影した全身画像。左が従来法で画像再構成したCT画像、中央がiDose4で画像再構成したCT画像、右がPET画像をフュージョンさせた画像