パナソニック エコソリューションズは11月6日、スマートグリッド社会の実現に向けたホームエネルギーマネージメントシステム(HEMS)の市場普及を図るため、家庭での配電と情報の中枢となり、将来に備えたさまざまな機能を搭載可能な住宅分電盤「スマートコスモ」を新たに開発し、2014年度内の製品化を目指す計画であることを発表した。
東日本大震災以降、日本の電力の需給に関する話題は大きな社会問題となっているほか、政府も2016年には電力小売の自由化、さらに2020年代前半にはスマートメータを全家庭に設置することを計画しており、今後、電力料金体系やサービスの多様化など、家庭における電力をとりまく環境が大きく変化することが予想されている。
同分電盤は、電気・ガス・水道と家庭で使用するエネルギーを「見える化」するとともに、計測した電力の使用状況などのデータを活用することで、利用者の生活支援や節電誘導喚起などの新たなサービスを創出し、利用者が快適で安心できる暮らしを提供することを目指して開発されたもの。
将来のスマートグリッド社会におけるさまざまな環境変化やサービスへの対応を想定して設計されているため、新築時の太陽光発電システム、家庭用燃料電池や同社の住宅用「創蓄連携システム」の導入対応のほか、既設住宅においてこれらの設備を増設する場合でも、必要な計測機器などを分電盤内に容易に設置でき、省施工と省スペースを実現することを可能にしているという。
また、将来的には、スマートメータとの連携により、電力会社などが導入を検討しているデマンドレスポンスやピークシフト、ピークカットなどにも対応可能なため、「電力需給の安定化」や「大規模停電の防止」への貢献も可能になるとしている。
なお同社では、同分電盤を、これからの住まいの"あたりまえ設備"として提案していくとするほか、今後もつながり・ひろがり・進化するくらしを提供できるHEMS「スマートHEMS」の拡充を図っていくことで、より快適で安心な社会の実現に取り組んでいきたいとコメントしている。