ワイヤ・アンド・ワイヤレスおよびアクセンチュアは、Wi-Fiアクセスポイントから収集される位置情報データと、ビッグデータ分析技術を組み合わせたO2O(Online to Offline)ソリューションを生み出すサービス基盤を共同で開発し、提供を開始すると発表した。
ワイヤ・アンド・ワイヤレスは、カフェ、ファーストフード店、コンビニ、駅、バス、商店街など20万カ所以上にWi-Fiアクセスポイントを提供している。提供されるO2O基盤は、これらアクセスポイントからの位置情報により得られた行動パターン、ユーザーに許諾を得て取得した個人情報、ユーザー企業が提供しているアプリから取得されたと趣味嗜好情報などを、アクセンチュアが分析。サービス基盤を使って、分析結果に基づき、趣味嗜好や行動パターンに沿った、最適なタイミングでキャンペーンやクーポンなどの情報配信が可能になる。
また、ユーザー企業が個別に保有する情報(顧客情報、購買履歴、閲覧履歴、操作履歴等)を本サービス基盤に連携させることで、顧客特性の分析精度をさらに高度化させることも可能。
ワイヤ・アンド・ワイヤレス 代表取締役社長 大塚浩司氏は「センサーとしての利活用、導入店舗での活用、携帯ネットワークで急増するトラフィック対策などでWi-Fiの利用ニーズが広がっている。さらに、Wi-Fiを活用して集客したいという企業が増えている。我々は、アクセスポイントの数を追い求めるのではなく、生活導線を中心にワイヤレスネットワークを提供している。今後はこれらネットワークをO2Oに活用していきたいと思っている」と述べた。
本サービス基盤の活用例としては、ユーザー企業の店舗付近を顧客が通った場合に、実施中のキャンペーンやクーポン情報などをプッシュ配信する、来店するだけでポイント付与を行ったり、顧客の趣味嗜好に基づいた各種レコメンド情報のコンテンツを適切なタイミングで配信するなどが考えられる。
アクセンチュア 経営コンサルティング本部 アクセンチュア アナリティクス 日本統括 工藤卓哉氏 |
また、分析レポートによって、 自社にとっての上顧客を見出し、手厚い接客対応の実施、店舗別注文数推移やクーポン配信実績、ポイント利用実績情報などに基づく、「サービス効果モニタリングレポート」を用いた店舗内でのクーポン・ポイントの活用促進施策の実施、「ユニークユーザーのリピート率・来店頻度分析」による、来店者の傾向を考慮したキャンペーンの実施などが可能になるという。
アクセンチュア 経営コンサルティング本部 アクセンチュア アナリティクス 日本統括 工藤卓哉氏は、「ビールとコーヒーが好きな人がいた場合、クリックストリームでは、同時に両方を勧めてしまう。位置情報により朝、会社近くにいることがわかれば、コーヒーだけを勧めるといった、適切な場所、タイミングで適切な内容・コンテンツを提供できる。この点はクリックストリームではできない大きな差別化要因になる」と述べた。