富士通は11月1日、企業の知的財産活動全般を支援する知的財産ソリューション「ATMS」シリーズにおいて、企業と特許事務所の特許管理データをクラウド上で統合し、特許管理業務の整流化と最適化を実現する国内初のSaaS型特許管理クラウドサービス「FUJITSU ビジネスアプリケーション ATMS PROPAS(アトムス プロパス)」の販売を、2013年12月より開始すると発表した。
企業経営における知的財産の重要性が高まり、特許事務所とのパートナーシップ強化が求められているが、現状、企業と特許事務所は個々に独立したシステムで特許管理を行い、その業務重複率は76%にも達している。これを解消すべく、富士通は企業と特許事務所との特許管理業務の整流化と最適化を実現する、国内初の特許管理クラウドサービスを開発した。
同サービスは、企業と特許事務所とで個別に管理している特許管理データをクラウド基盤に統合し、双方向からデータ更新を可能とし、情報共有・情報伝達の効率化を実現。これにより、企業は特許管理業務の削減による知財創造活動への注力、特許事務所は付加価値向上によるクライアントである企業との関係を強化する。
企業、特許事務所ごとのプライベートサイトで単独利用することも可能だが、データリンクサービスを利用することで、システムの全2780入力項目中860項目について相互入力が可能となるなど、双方から関連データが参照可能となり、データ不整合に起因する手続きのミスや手戻りをなくし、変更履歴も残せる。これにより、企業は特許管理業務の軽減による知財創造活動への注力、特許事務所は付加価値向上によるクライアントとの関係強化が可能となる。
審査請求書や年金納付書などの特許庁提出書類の自動作成機能により、業務効率化ができ、案件ごとに入力していた、出願番号、出願日、審査請求日などの特許管理業務に必要な書誌項目を、同社の出願支援ソフト「FUJITSU ビジネスアプリケーションATMS PPW(アトムス ピーピーダブリュー)」から特許庁書類を取り込むだけで、自動的にサービス上に登録され、入力作業・入力内容のチェック作業の負荷の軽減を実現する。
また、従来、Faxや郵送で行っていた企業と特許事務所の諸手続きを同サービスを介して行えることから、企業から特許事務所への作業依頼や特許事務所から企業への納品通知などの諸手続きが迅速化され、スムーズな手続き対応を支援。共有の履歴を一覧で表示し、企業と特許事務所とのやり取りを後から画面で簡単に確認することもできる。
さらに、SaaS型クラウドサービスのため、独自のICTシステムを保有することなく利用でき、年に1、2回実施される法改正やシステムの老朽化への対応など、高度なICT知識が必要なシステムの運用・保守から解放され、企業と特許事務所は特許管理業務に専念。インターネットに接続できるパソコンや周辺機器を用意するだけで、短期間でサービスの利用を開始することができ、導入の手間も短縮。既存システムの特許管理データを移行するサービスも準備されているため、安心してシステムの乗り換えが行える。
販売価格、および販売時期は次のとおり。
富士通は、今後5年間で企業と特許事務所合わせて700サイト、売上高20億円を目指す。