日本オラクルは10月29日、「Javaテクノロジの最新動向に関する説明会」を開催した。9月下旬に米国サンフランシスコで開催された「JavaOne San Francisco 2013」での発表内容を基に、今後のJavaテクノロジーとしての方向性が改めて紹介された。
ここでは、説明会の中で取り上げられた主なトピックスを紹介する。
Java 8では、Java SEとJava MEを統合
日本オラクル Fusion Middleware 事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアマネジャーの伊藤敬氏 |
最初の話題は、次期バージョン「Java 8」で予定されているJava SEとJava MEの統合である。
日本オラクル Fusion Middleware 事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアマネジャーの伊藤敬氏は、「デバイスが進化し、メモリ、CPUのパワーが格段に向上した結果、Java SEを組み込みの世界に持ち込める時代になった」と背景を紹介。現在のJava MEにおける問題点として「Java SEとの間で大きな乖離がある」としたうえで、それを解消するべくJava SEへの統合を進めていると説明した。
現在、Java MEに関しては、CDC(Connected Device Configuration)がJava SE 1.4.2ベース、CLDC(Connected Limited Device Configuration )がJava SE 1.3ベースの言語仕様になっており、最新版が7のJava SEとは大きな隔たりがある。その結果、Java MEによる実装では相応のスキルが求められることになっているという。
これを埋めるために来春リリース予定のJava 8では、Java MEをJava SEの中に統合。その後のバージョンでさらに統合度合を高め、組み込みデバイスからサーバサイドまでを同じスキルで実装できるようにする計画という。
伊藤氏は今回の統合の意義について、「マーケットへ迅速に製品を投入することは企業において非常に大きな価値を生む。さまざまなデバイスがインターネットにつながり、情報交換するIoT(Internet of Things)の時代においては、組み込みに対応できるエンジニアの数を増やすことは非常に重要」と説明した。
Java EE 7はHTML5対応を強化
日本オラクル Fusion Middleware 事業統括本部 シニアJavaエバンジェリストの寺田佳央氏 |
続いて紹介されたのが、今年6月にリリースされたJava EE 7。
Java EE 7では、「開発生産性の向上」、「HTML5への対応」、「エンタープライズニーズへの対応」の3つのテーマの下、さまざまな機能が追加されている。
上記の3テーマのうち特に強調されたのがHTML5対応だ。WebSocketに対応したほか、JSONやRESTベースのWebサービスを正式にサポート。Webブラウザとサーバ間とのやりとりをより簡単に実装できるようにしている。
日本オラクル Fusion Middleware 事業統括本部 シニアJavaエバンジェリストの寺田佳央氏は、「ローンチイベントには全世界で1万人が集まり、1ヶ月で数十万回のダウンロードがあった」と注目度の高さをアピール。「今後、1年程度かけて対応アプリケーションサーバも出てくるはず」とし、引き続き注目してほしいと続けた。