日立製作所(以下、日立)は、データセンター内ネットワークの柔軟な構築・設定変更を可能とするデータセンター向け仮想ネットワーク基盤ソフトウェア「Virtual Network Platform for Data Center(以下、VNPF-DC)」を製品化し、データセンター事業者、データセンターを有する企業や官公庁、自治体、大学などに向け、11月1日から販売を開始すると発表した。価格は735万円から、2014年3月31日に出荷開始となる。
VNPF-DCは、データセンター内のシステム拡張や新規サービスの追加の際などに必要となる仮想サーバの構築・設定に連動して、仮想サーバが接続する仮想ネットワークの構築・設定と、その仮想ネットワークが依存する物理ネットワークの自動的な設定変更を可能とするソフトウェア製品。
データセンター内のネットワーク機器を設定するための各種ウェブAPI(Application Programming Interface)を提供、スイッチやルータのみならずロードバランサー(負荷分散装置)やファイアーウォール、VPN(Virtual Private Network)装置、帯域制御装置といったアプリケーションプロトコルを制御するネットワーク機器の設定が可能となる。
また、データセンター内の各種ネットワーク機器におけるデータの入出力ポートや接続関係、アドレスなどをネットワークオブジェクト(設定の単位)として共通的にモデル化し、各ネットワークオブジェクトの生成、更新、削除、情報取得といった共通的なAPIとして、セットで提供。これにより、各種ネットワーク機器に対し、入出力ポートや経路選択の設定といった共通的な指示は同一のAPIで行うことを可能とする。
さらに、アプリケーションプロトコルを制御するためのネットワークの機器設定も、同一機能であれば物理機器か仮想機器かによらず、共通APIを活用した設定が可能。ウェブAPIの共通化により、VNPF-DC導入時におけるセルフサービスポータルなどのプログラムの開発を複雑化させずに、要件に応じたネットワーク機器を選択し設定することが可能になる。本ソフトウェアの仕様は次のとおり。
同ソフトウェアの活用により、従来、ネットワークエンジニアが個別に手作業で設定していたような複雑なネットワーク機器の設定を、ネットワーク機器を入れ替えることなく、プログラムにより自動化できるため、データセンターにおける投資抑制とともに、運用負荷を軽減する。
日立は、今後、VNPF-DCで設定可能なネットワーク機器のラインアップを拡充していくほか、複数のデータセンター間や異種クラウドサービスとの連携を強化するなど、データセンター事業者をはじめとした企業の迅速な新規サービス提供や運用管理の効率化に向け、VNPF-DCの適用範囲を拡大していく。