安川電機は10月31日、同社のマシンコントローラ「MP2000シリーズ」の後継機種として、サイズやコストを継承しつつ、性能および機能強化を実現した統合マシンコントローラ「MP3300」を開発したと発表した。また、併せて同社はACサーボドライブ「Σ-Vシリーズ」の後継機種として、新たに「Σ-7シリーズ」を開発したことも発表している。
MP3300は、Σ-7シリーズと組み合わせることで、潜在的なFA装置の課題解決や環境や省エネへの配慮をコンセプトとして開発されたコントローラで、MP2000シリーズに比べ、演算およびアプリケーション処理の高速/高精度化、およびプログラム容量の拡大を実現したほか、オープンモーションネットワーク「MECHATROLINK-III」を標準搭載し、サーボ、インバータなどの対応機器と高速な同期通信を実現することが可能。
また、CPUユニット本体にストレージ用USBポートを標準搭載しており、容易に装置のバージョンアップやバックアップ、大容量データのインポート/エクスポートを行うことが可能。さらに、データロギング機能により、装置の稼働状態を内蔵RAMまたはUSBメモリへ保存が可能であり、これらのロギングデータを、遠隔の上位装置からアクセスすることも可能となっている。
一方のΣ-7シリーズは、「7つを極めた心揺さぶるソリューション」をコンセプトに、「装置性能」、「使いやすさ」、「環境性能」、「安心」、「サポート」、「ラインアップ」、「互換性」を突き詰めて開発されたACサーボドライブとなっている。速度応答周波数3.1kHzを実現しつつ振動抑制機能などを進化させており、モータ体積も従来品であるΣ-V比で20%減を実現しながらも、24ビット高分解能エンコーダなどの搭載により装置の高タクト化・高スループット化を実現することが可能だという。
また、Σ-Vにも搭載されていた調整レス機能を進化させており、安定性が同シリーズ比約2倍に向上、ゲインの調整なしで発振せずに俊敏に動くことが可能なほか、装置内のサーボエネルギーの有効活用として、2軸アンプやDCバスの接続による複数軸間での回生エネルギーの活用などを採用。設置環境仕様も拡大し、これまで使用できなかった標高2000mや周囲温度60℃などの過酷な環境でも使用可能とした
さらに、温度センサを標準搭載し、MP3300シリーズなどの上位コントローラからの温度監視によりシステムを異常温度から保護することが可能なほか、稼働状況の見える化の強化による消費電力や寿命予測といった装置の予防保全を行いやすくなった。
なお、いずれも2013年11月21日より販売を開始する予定で、MP3300については2014年度で300台/月、Σ-7シリーズについては同8万台/月の販売を目指すとしている。