デルは、10月30日より、中堅・中小企業向けにVMware Horizon Vieを利用したVDI(Virtual Desktop Infrastructure:仮想デスクトップ)用のオールインワンパッケージ「Dell Active System BRS (Business Ready Solution) for VDI」(以下、AS for VDI)の販売を開始すると発表した。

AS for VDIは、VDIのワークロードに最適化されたサイジングで構成されており、サーバ、ストレージ、ネットワークといった必要なハードウェアを事前統合型で工場から出荷する。導入設計サービスから仮想化基盤、VDI管理ソフトウェア、そして検証済みのハードウェア、保守サービス全てがパッケージングされている。主に、300名以下の中堅・中小企業をターゲットとしている。

「Dell Active System BRS (Business Ready Solution) for VDI」び概要

オンプレミス向けとしては、検証用のPoC(Proof Of Concept:概念実証)、および100シート向け、300シート向けの3種類をラインナップしている。価格はPoCが298万円~、100シート向けが1,600万円~、300シート向けは3,100万円~となっている。

「AS for VDI PoC/100/300」

また、より小規模向けには月額課金の「AS for VDI VSBP」がアセンテックより提供される。このサービスは、クラウドベースのリモートアクセス製品「GoToMyPC」により、管理機能(セキュリティ設定など)、セキュアな通信(暗号化:SSL/AES)、クライアントからホストPCへの接続管理、高速なデスクトップ画面配信プロトコルが提供される。DaaSサービスのような共有型ではなく、顧客ごとにVDI環境を独自サーバに構築する専有型で、10シート(月額4,920円~)、15シート(月額4,500円~)、20シート(月額3,900円~)がある(価格は1シートあたり)。

「AS for VDI VSBP」

デル マーケティング統括本部 ソリューション マーケティング マネージャ 布谷恒和氏

デル マーケティング統括本部 ソリューション マーケティング マネージャ 布谷恒和氏は、「スマートフォンやタブレットの普及も導入率の上昇に影響しているが、VDIは普及率が20%を越え黎明期から普及期に入っている。今後は、中堅・中小企業に広がっていくだろう。これまでは、アーリアダプター向けで、大規模向けのソリューションが中心だったが、今後は中堅・中小企業向けに新たなVDIソリューションを提供していかなければならない。デルは中堅・中小企業向けにVDIのスタンダードを作っていきたいと思っている。我々が提供するソリューションは、VDIの最低限の環境を提供するというシンプルで、ミニマムなソリューションだ。そして、さまざまなオプションを提供することで、ユーザーには『My VDI』を作っていただきたい」と述べた。

デル 執行役員 エンタープライズ・ソリューション統括本部長 町田栄作氏

また、デル 執行役員 エンタープライズ・ソリューション統括本部長 町田栄作氏は、「VDIは、今後年率20%で成長していくとの調査会社の予測もある。ただ、さらに加速していくためには今後は早く導入でき、成果を担保できる中堅・中小向けソリューションを提供すできるかが重要だ。今後はパートナーとともに、そういったソリューションをマーケットに出していきたい。 我々は新しいVDIの世界を切り開こうと思っている」と述べた。

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ヴイエムウェア 代表取締役社長 三木泰雄氏

パートナーの1つヴイエムウェア 代表取締役社長 三木泰雄氏は「VDIは我々もフォーカスしている領域で、サーバの仮想化よりも伸びている。VDIはこれはまでは、セキュリティ対策を目的に大手が導入してきたが、最近はスマートフォンなどのさまざまなデバイスを活用する目的で導入するケースが増えている。ただ、需要に対して、サポートしているエンジニアが不足している。そういう意味でオールインパッケージは中堅・中小企業むけにが有効なパッケージだ」と語った。