三菱電機は10月29日、機械装置を制御するシーケンサ(プログラマブルコントローラ)において次世代製品「MELSEC iQ-R」シリーズを開発したと発表した。

製造業では、製造設備や装置の生産性・製造品質の向上、開発・保守コストの削減が求められている。また、技術流出のリスク低減に向けたセキュリティ強化が重要視されている。そこで今回、これらのニーズに対応する次世代シーケンサを開発したという。

具体的には、新たに高速システムバスを開発し、シーケンサシステムの約40倍の処理能力や速度を実現した。さらに、次期エンジニアリング環境において、ソフトウェアを構造化するプログラムの操作性を向上させ、開発工数を削減している。また、シーケンサ内部にある生産・情報データや操作履歴を自動保存することにより、トラブル時のメンテナンス工数を削減した。

この他、現行の「MELSEC-Q」シリーズのプログラムの流用が可能なのに加え、「MELSEC-Q」シリーズの入出力ユニットや端子台などが活用できる。技術的流出リスク低減と製造品質向上を実現においては、セキュリティーキー認証機能により、ユーザーのプログラム資産流出を防止する。さらに、ネットワークで接続されたシーケンサを同期して動作させることにより、制御周期のばらつきを抑制し、安定した製造品質を実現する。

なお、開発品のCPUユニットは、プログラム容量が40/80/160/320/1200Kstep、基本命令が0.98ns、周辺機器接続ポートがUSB/Ethernet、メモリカードインタフェースがSDカード/拡張SRAMカセットとなっている。

今後、実用化に向けて開発・評価を進め、2014年6月に発売する予定。

三菱電機の機械装置制御シーケンサの次世代製品「MELSEC iQ-R」シリーズ