スター精密は、エネルギーハーベスティング技術を利用した小型振動発電ユニット「EH12/13/15」3機種を開発したと発表した。

同製品は、独自の小型化技術、音響関連技術を活かしたコイルとマグネットによる電磁誘導型の小型発電ユニットで、微弱な振動から電気エネルギーを引き出す。振動発電には、電磁誘導型の他に圧電型、静電誘導型の製品があるが、電磁誘導型はこれらの方式と比較して、人の歩行などの振動での発電効率が高いことを特徴としている。

従来、機械や構造物の振動、歩行やランニング時の人体の動きの振動はエネルギーとして活用されることがなかったが、開発した小型発電ユニットは、これらの振動をエネルギーに変換し、無線センサネットワークの電源や、自発光LEDの電源などに活用することができる。また、電力を自ら作り出すため、電池交換の必要がなく、密封性、防水性、防塵性を備えた製品が実現する。

振動発電において、多くの発電量を得るためには、振動体の周波数に合わせて製品を作り込む必要がある。同社では、小型音響部品の開発で培ったシミュレーション技術を応用し、発電機構の最適化を図っている。今回開発した3機種は、「EH12」が人が歩く際の振動、「EH13」はモータなどの機械振動、「EH15」が人が走る際の振動に合わせて設計された製品となっている。

今後は、さらなる発電能力の向上、1つのモデルで様々な振動を利用して大きな発電量を得るための改良を進めるとともに、マーケティング活動に着手して量産化を目指した開発を進めていくとコメントしている。

スター精密の小型振動発電ユニット「EH12/13/15」