フィリップス エレクトロニクス ジャパンは10月28日、2013年11月1日より、次世代プレミアム超音波診断装置「EPIQ」の販売を開始すると発表した。

同製品は、同社の循環器用プレミアム超音波診断装置「iE33」の上位となる最上位プレミアム超音波診断装置として位置づけられており、高画質・リアルタイム性を実現する超音波ビームの形成技術(ビームフォーミング技術)「nSIGHT」に加え、膨大な臨床データベースに基づき短時間で再現性の高い解析データを提供する「A.I.(アナトミカル・インテリジェンス)」を搭載することで、空間分解能を維持したまま、透過性を従来品比で最大76%向上できるようになったほか、時間分解能は213%向上させることが可能になったという。これにより、これまで診断に十分な情報を得られなかった高い肥満度指数の患者に対しても高い性能を発揮することができるようになったとする。

また解析ソフト「aCMQA.I.」は、検者がクリックしなくても心機能の定量解析が可能となる「ZeroClickテクノロジー」を実現しており、これにより、これまで問題であった検者による結果の違いをなくし、短時間で再現性の高いデータを臨床に提供することが可能とるほか、同ソフトでは、近年、要望が高まってきているAuto EF(自動駆出率算出)も可能であり、術前・術中に外科医が求める情報をリアルタイムに提供することが可能になるとする。さらに同社では、将来A.I.をさまざまな臓器モデルに応用することで、真の意味で超音波診断装置をもっとも信頼できるモダリティに高めることを目指すとしている。

加えて、 一から新しくデザインし直したことで、プレミアムクラスの高性能をコンパクトな筐体に集約することに成功。従来製品と比較して重量は約30.5%の軽量化となる104.3kgを実現したほか、起動音も37~41dBを実現。また、タブレット型インタフェースの採用により、検者の動線を従来品比で40~80%減らすことが可能で、これにより操作回数も同15%削減でき、限りなくシンプルで直観的な操作を実現することが可能となったほか、検査の効率化を高める「SmartExam機能」の活用により、検査時間も同30~50%の短縮が可能になったとしている。

なお、同製品の希望販売価格は、1億円(仕様により異なる)で、国内初年度の販売目標台数は約200台を見込んでいるという。

EPIQの外観

従来法(左)では、ビームは焦点以外では広がる砂時計状であるが、nSIGHT(右)では浅部から深部まで細く均一なペンシル状を実現している