富士通はビッグデータに関する商品・サービス群を体型化した「FUJITSU Big Data Initiative」の継続的な取り組みとして、ビッグデータ活用を提案する10種類のオファリング(課題解決メニュー)を発表した。

このオファリングは、提案資料と実装モデルから構成され、同社がこれまで提供した約200件の事例の中から、とくにニーズの高い10種類のテーマで策定したもの。 これにより、顧客は、導入効果や実装モデルを具体的にイメージでき、すばやくビッグデータ導入のアクションに移ることができるという。

10種類のテーマとは、「リアルタイム経営の実現」、「故障予測による設備メンテナンスの高度化」、「予兆検知による社会インフラ維持・管理」、「工場のリアルタイムエネルギーマネージメント」、「製造ラインのデータから頻発停止の発生予測を実現」、「需要予測の高度化によるSCM最適化」、「顧客接点情報の有機連携によるCXの実現」、「金融サービスでの個客向けパーソナライズ化実現」、「顧客需要分析による人的リソースの最適配置」、「M2Mデータによる商品・サービスの高度化」。

10種類のオファリングテーマ

「故障予測による設備メンテナンスの高度化」

「顧客接点情報の有機連携によるCXの実現」

富士通 執行役員常務 兼 マーケティング部門 副部門長 川妻庸男氏

富士通 執行役員常務 兼 マーケティング部門 副部門長 川妻庸男氏は「富士通はヒョーマンセントリック・インテリジェントソサエティをビジョンに掲げているが、問題はこれをどうやって実現するかだ。ビッグデータがこの中核の技術だ。富士通はネットワーク、HPC、クラウド、ネットワーク、モバイルなど、ビッグデータに関連する技術を数多くもっており、それが強みになる。最近は企業にある非構造データの中でも、音声、映像を含めて活用できる技術が整ってきている。弊社は6月に「FUJITSU Big Data Initiative」を発表しているが、それ以降、ワークショップの申し込みが120社ある、半数以上のお客様がビッグデータをどう活用していいかわからないということだった。マーケティングの案件が多いが、需要予測や故障予測も多く、ビッグデータが企業のビジネスプロセスに浸透してきていると感じる」と述べた。

富士通 統合商品戦略本部長 阪井洋之氏

また、富士通 統合商品戦略本部長 阪井洋之氏は「6月のソリューション発表以降、商談件数は約400件にのぼっているが、どう活用していいのかわからないというのが企業の悩みだ。今回の発表は、その悩みを解決するためのものだ。弊社調査によるビッグデータの活用予測は、2015年の市場は1兆円強で、営業・マーケティングや製造や物流のニーズが高い。今回はこの部分のオファリングを開発した」と語った。

ビッグデータに関心の高い業種や部門(富士通調査)

オファリングの構成は、全体説明、オファリングシート(概要)、オファリングシート(活用・分析・アウトプット)、実装モデル(サマリ)、実装モデル(詳細)だ。

オファリングの構成

同社ではオファリングのデリバリーに向けた体制強化を行い、ビッグデータの商談体制800名のなかにオファリング別プロフェッショナルチームを編成し、ビッグデータイニチアティブセンターと連携し、ビッグデータ活用提案を推進するという。

オファリングのデリバリーに向けた体制強化

また、データを分析するデータサイエンティストの育成のための「ビッグデータ実践教育コース」を開設し、来年1月から提供を開始する。

6月に発表したベンチャー企業向けの支援プログラムの2次募集も来年1月に行い、ソリューション強化を行う。

同社では、2012年に約600億円だったビッグデータ関連の売り上げを、2013年には約1,000億円に、2015年には約2,000億円に拡大することを目標にしている。

ビッグデータ関連の売り上げ目標