日本IBMは10月25日、同社ストレージ製品「IBM Storwizeファミリー」のラインナップ強化および機能拡張について、記者説明会を開催した。
同ファミリーは使用頻度に応じてデータを階層間で自動再配置できる「自動階層管理」や、複数のストレージ装置を1台として管理できる「仮想化」機能を搭載したディスクストレージ製品。
IBM Storwizeファミリーは、最上位の「IBM Storwize V7000」が2010年10月に発表。2012年11月には、エントリーモデルの「IBM Storwize V3700」を発表した。
そして、今年の10月11日にV7000とV3700の中間に位置するミッドレンジの新モデルとして「IBM Storwize V5000」を発表している。
「IBM Storwizeファミリー」の機能比較
V3700 | V5000 | V7000 | |
---|---|---|---|
CPU | 2 Core | 4 Core | 4 Core |
キャッシュサイズ | 8GB | 16GB | 16GB |
NAS機能Unified | × | × | ○ |
Easy Tier SSD 自動最適配置 | ○ | ○ | ○ |
Real-Time Cpmpression | × | × | ○ |
外部仮想化 SVC機能 | × | ○ | ○ |
さらに、11月29日には、IBM Storwizeファミリー・ソフトウェア・バージョン7.2の出荷を開始する。これにより、IPレプリケーション、Real-Time Cpmpressionの機能向上(V7000のみ)、スマートデバイスによる管理ができるモバイルダッシュボードの追加、VMWareの連携強化などを行う。
日本IBM システム製品事業 ストレージ事業部 事業部長 波多野敦氏は、「IBM Storwizeはソフトウェアにより、機能拡張を実現しているのが特徴だ。V5000の追加によりファミリーのラインナップが整った。現在の多様なニーズに1つのアーキテクチャですべてをカバーすることはできない。IBMはビジネスモデル合わせたアーキテクチャを備えた製品を提供しているが、IBM Storwizeは中核になる製品だ。 ハイエンドなエンタープライズストレージのDNAを引き継いだ製品で、共通化されたマイクロコードとプラットフォーム、画面インタフェースを備えている。最近は、ストレージの仮想化が注目され、複数のストレージをまとめて1つのプールとして提供可能だが、IBMの仮想化は容量やスピードだけでなく、目的に応じた階層化ができる。ストレージプールに他社製品を参加させることができるのも特徴だ。対応可能な製品は1つ1つ検証してアナウンスしている。それが、他社との違いだ。とくに注目してほしいのが、Real-Time Compressionで、最大80%を削減できる」と述べた。
同社では今後は、IBMのエントリー、ミッドレンジのディスク製品は、IBM Storwizeシスリーズにシフトさせていくという。