パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は10月25日、一般的な紙やフィルムに加え、布や建材などの表面により大きな凹凸がある印刷対象物に対しても高品位な印刷を可能にするワイドフォーマットプリンタ向けインクジェットヘッド「UH-HA800シリーズ」および、デジタル商業印刷機でオフセット印刷クラスの高精細印刷を実現可能なラインヘッドモジュール「UH-HB800シリーズ」を開発したことを発表した。
H-HA800シリーズは、インクジェットヘッドと印刷対象物の距離であるプリントギャップを広くとる必要がある布や建材といった凹凸がある印刷対象物で生じる画質の低下を解決することを目的に開発されたプリンタヘッド。
各種インクに対応した新規材料の撥水膜とノズル加工精度の改善により、インク吐出の直進性を向上。これにより、プリントギャップ(PG)3mmの場合、着弾精度±15μm(液滴量11pl)以下を実現したとする。
また、インクごとにヘッドを駆動する波形を最適化することで、インク滴の飛翔状態を緻密に制御することを可能としたことで、サテライトドットの低減を図ることが可能となったほか、真円のドット形状を実現することに成功した。
さらに、ヘッドに使用する材料を見直すことで、各種インク成分に対する耐性を向上に成功。これにより多彩なインクに対応することが可能となったとするほか、ヒーターを用いることで、より高粘度なインクにも対応が可能になったとする。
一方のUH-HB800シリーズは、印刷物の多様化による小ロット・多品種・短納期といったニーズに対応するデジタル商業印刷機で、オフセット印刷のようなアナログ印刷機の品質を実現することを目的に開発されたプリンタヘッド。
1ラインで1440dpiを実現可能なインクジェットヘッドを開発し、商業用ラインヘッドに最適な配置をすることでラインヘッドとしてモジュール化しており、ピエゾ方式で1440×1440dpiの高解像度ラインヘッドモジュールを実現したという。
また、ヘッド内部の構造を見直すとともに、ヘッドに新たな新駆動方式を導入することで、アクチュエータの高速応答を実現。これにより、インク液滴の吐出均一性を実現したほか、同社従来機比1.7倍となる100kHzで毎分105m(1440×1440dpi印刷時)の印字が可能になったとする。
さらに、多様なインクに対応することを目的に、インクごとにヘッドを駆動する波形を最適化することで、インク滴の飛翔状態を緻密に制御することに成功、これによりサテライトドットの低減を図ることが可能となったほか、真円のドット形状を実現しており、精細な模様でもシャープな印刷をすることを可能にしたという。
なお、2シリーズともに2014年第1四半期からプリンタメーカに対して、量産出荷が開始される予定で、量産規模はUH-HA800シリーズが5000個/月、UH-HB800シリーズが500個/月が計画されている。