大日本印刷は25日、書体を日常的に使う編集者、グラフィックデザイナー、美術系学生などに向けて、同社オリジナル書体「秀英体」の改刻の過程を記録した『一〇〇年目の書体づくり -「秀英体 平成の大改刻」の記録』を書籍版と電子版で刊行した。
本書は、百年以上にわたって日本語書体のスタンダードとして愛されている"秀英体"のリニューアルプロジェクト「平成の大改刻」の記録をまとめたもの。これまで秀英体が抱えていた課題に対して、書体デザイナーがどのような改良を加え、またエンジニアがどのように製品化していったのかなど、書体分析から緻密な検証作業に至るまで、10書体延べ12万字の7年間に及ぶ書体開発の過程を紹介する。
さらに秀英体ユーザーであるブックデザイナーへのインタビューや、1876年(明治9年)の同社創業以来の書体開発の歴史など、秀英体をより深く知るための内容も充実しているとのこと。インタビューに答えるデザイナーは、白井敬尚、黒田貴および二宮大輔(新潮社装幀部)、祖父江慎、永原康史、関口信介(文藝春秋デザイン部)となっている。
本書は同社の100%子会社であるDNPアートコミュニケーションズが書籍版を全国書店で販売するとともに、電子版をハイブリッド型総合書店「honto」にて同時発売する。価格は書籍版が2,100円、電子版が525円(11月30日までは、honto会員登録をすることで無料となるキャンペーンを実施)。なお、iOS版のリリースも12月に決定しており、価格は600円となる予定。