アットマークテクノは10月24日、ARM9プロセッサ搭載で省電力、かつ小型・薄型のモジュール型組み込みプラットフォーム「Armadillo-410」を発表した。

同製品は、ARM9プロセッサ(Freescal Semiconductor製CPUクロック400MHzの「i.MX257」)搭載の組み込みプラットフォーム「Armadillo-400」シリーズの新製品である。従来の「Armadillo-400」シリーズの製品は、そのまま組み込める手軽さを重視したシングルボード型で、組み込み機器によく使われるインタフェースコネクタの他、GPIOなどのヘッダピンコネクタを搭載していた。これに対し、「Armadillo-410」は設計自由度を重視したモジュール型となっている。キャリアボード(拡張ボード)を接続することで、コネクタの配置や基板の形状などを自由に決定できる。モジュール本体のサイズは40×50×5.2mmとコンパクトで、どのような機器にも収めることができる。また、産業用途向けとして動作温度範囲-20℃~+70℃をカバーしており、屋外設置の機器での利用や、工場などの温度差のある環境でも利用できる。

「Armadillo-410」は、従来のシングルボード型よりも低価格であり、数千台以上の組み込み機器の量産に採用しやすい点も大きな特徴となっている。さらに、モジュールとキャリアボードは、基板対基板コネクタ(BtoBコネクタ)を使ってワンタッチで接続できるため、シングルボード型に比べ機器を組み立てる際の作業効率が向上する。このため、数百台規模までの少量生産の場合は、従来のシングルボード型の製品を使って開発コストを低減し、中規模以上の生産の場合はモジュール型の「Armadillo-410」を使って製造コストを低減するなど、量産規模に応じて使い分けることもできる。

「Armadillo-410」は、「Armadillo-440」と同等の機能を有し、USB、LAN、シリアル、SDなどのインタフェースの他、タッチパネル液晶インタフェースやオーディオなど、様々な拡張に対応している。さらに、既存の「Armadillo-400」シリーズとソフトウェアの互換性を持っているため、従来のシングルボード型のユーザーも「Armadillo-410」へと容易に移行することができる。

なお、量産向けのボードタイプ「Armadillo-410 A4100-U00Z」に加え、試作開発に便利な4.3型タッチパネルTFT-LCDを付属した液晶モデル開発セット「Armadillo-410 A4100-D00Z」が用意されているので、購入後すぐに開発に取り掛かることができる。11月22日より販売を開始する。

アットマークテクノのARM9プロセッサ搭載の小型・薄型モジュール型組み込みプラットフォーム「Armadillo-410」