日本オラクルは10月22日、23日の2日間、東京・恵比寿のウェスティンホテル東京において、「Oracle Days Tokyo 2013」を開催したが、23日にはオラクル・コーポレーション カスタマーエクスペリエンスストラテジー&デザイン バイスプレジデント ブライアン・カラン氏が「最適なカスタマー・エクスペリエンスを実現するために」と題して講演を行った。
カラン氏は、最近はモバイル、ソーシャル、クラウド等により急激な行動様式の変化が起こり、かつてないほどの速さで革新がスピードアップしていると分析。自宅、職場、店舗など場所を問わず顧客はデータにアクセスし、顧客自身がSNS等で権利を主張し、主導権を持つようになってきたと指摘した。
そのため、多くの企業がカスタマーエクスペリエンス(CX)が重要になってきていると感じているという。カスタマーエクスペリエンスとは、企業が提供する商品やサービスを顧客がどう感じているかということ。そのため、SNSなどのビッグデータが注目されている。
ただ、カラン氏はカスタマーエクスペリエンスへの取り組みが進んでいる企業は少数で、ギャップがあると指摘。しかし、カスタマーエクスペリエンスが売上げデータと相関関係があるのは間違いないという。それは、マーケットシェア拡大やビジネスチャンスの拡大といった新規顧客の獲得、ロイヤリティ向上や推進力の維持などの既存顧客の維持、生産性の向上やコスト削減などの事業の効率化に大きな影響を与えるためだという。
カラン氏によれば、この中で重要なのが既存顧客の維持だという。それは、新規顧客の獲得には大きなコストが必要になるからだという。
同氏によれば、カスタマーエクスペリエンスを向上させるためには、まず、顧客のライフサイクルを考えることだという。
それは、購入したいというにニーズが生まれ、候補とする製品を調査し、購入品を決定・購買し、使用して、製品が気に入れば他の人の推奨するというサイクルだ。
そして、本当の顧客ニーズを理解し、それに対する役割とプロセスを考えるのだという。
同氏によれば本当の顧客ニーズは、デジカメがほしいということではなく、子供の成長は早く、特別な瞬間は二度と戻ってこないから、残しておきたいというような購入動機の背景にあるもの。また、実際の商品を選択する際の、「間違った選択をして後悔しないようにしたい」、「間違ったものを買うと、自分が友達から頭が悪いと思われてしまう」などの感情面のニーズも重要だという。
そして同氏は、これを実現するためには、柔軟なITインフラが必要で、オラクルはこれらに対応するための豊富なポートフォリオを持っており、望ましいエクスペリエンスを実現できるとした。