近年、iOSやAndroid搭載のデバイス向けに、写真を印象的に加工するエフェクトアプリが数多くリリースされているが、「MacBook Pro」や「Mac Pro」といった新機種の内容が発表されたMac用のアプリにも、画像加工用のものが数多くリリースされている。これらを活用すれば、デジタル一眼レフなどで撮影した高解像度の写真を、スマートフォンでの操作と同じように、さまざまなエフェクトをかけて変換できる。

しかも、その大半は無料~1,000円程度で、気軽に購入できるのが嬉しい。しかし、低価格なでありながら、用途によってはクリエイティブな業務用途でも十分使えるほど実用的なものもあるから侮れない。ここでは、筆者がお勧めの画像加工用Macアプリを作例を交えていくつか紹介しよう。

写真にカールや影、光沢、縁取りなどを付加――「Rainbow」

ツールバーにズラリと並んだアイコンをクリックすると、そのツール専用のパラメーター調整ウインドウが開く。図は「Curl」ツールで写真の片隅をカールさせているところ

パラメーターを変更すると、プレビュー画面でもリアルタイムに反映されるので、適用後の状態を見ながらじっくり調整できる。図は「Shadow」ツールで写真に影を付けているところ

「Rainbow」は、写真の角がカールしたような、あるいは床に反射したようなエフェクトを簡単に施せるツールだ。写真をドラッグ&ドロップして読み込んだら、上部のツールバーに並ぶアイコンから使いたいものを選び、プレビュー画面を見ながら各パラメーターを調整する。

また、写真が少し浮いているかのような影を付けたり、表面に光沢を付けたりするなど、プリントされた写真が実際に置かれているような立体感のある演出を、初心者でも簡単に作り出すことが可能だ。ほかにも、急激にズームアップしたようなブレを演出したり、写真を斜めから見たように変形させるエフェクト、絵で描いたような輪郭抽出など、全部で26種類ものツールが用意されている。

Rainbow
開発元:Giuseppe Cigala
価格:100円
MMac App Store>グラフィック&デザイン

35種類のフィルターでアナログ調に──「Analog」

35種類の多彩なフィルターを搭載。ビンテージ調やトイカメラ調、モノクロ化のほか、フィルムの「光漏れ」を再現したものなど、バリエーションはかなり豊富だ

「額縁」は、写真の周囲に縁取りを適用する機能。お馴染みの白い縁取りをはじめ、黒い縁取りや映画のフイルム調のもの、テレビ画面風のものなど、15種類から選べる

「Analog」は、35種類のフィルターや15種類のフレームを適用して、写真を銀塩写真調やビンテージ調、トイカメラ風に加工できるツールだ。ウインドウ内に写真をドラッグ&ドロップして読みこんだら、右に並ぶ35種類のフィルターの中から使いたいものを選べばよい。

また、エフェクトが強すぎる場合は、下に並ぶボタンのうち左から2番目のボタンをクリックするとスライダーが表れ、好みの状態に調整できる。加えて、右上のスイッチを「フィルター」から「額縁」に切り替えると、写真の周囲に銀塩写真のような白い縁取りや、映画のフイルム風の模様、スクエア写真などの15種類のフレームを適用できる。このほか、トリミングや回転などの編集にも対応している。

Analog
開発元:Realmac Software
価格:1,000円
Mac App Store>写真

雨、雪、靄、逆光などをシミュレート──「Photo Glamour」

「Glamour」には、写真を印象的に仕上げるフィルターが13種類。この「Glamour Glow」は、まるで夢の中のワンシーンのような雰囲気に仕上がる

「Effects」には、光や雨、雪などを再現するフィルターが19種類。「Drizzle」、「Rain」、「Shower」の3種類の雨のほか、濡れたガラス越しのような「Wet Window」もある

「Photo Glamour」は、写真をクリックひとつでドラマチックな印象に仕上げたり、雨や雪、逆光などをシミュレートできるツールだ。ウインドウの右側にズラリとならぶフィルターは、写真をドラマチックな印象に仕上げる「Glamour」、周囲にぼかしや縁取りを付ける「Vintage」、雨や雪、煙、逆光などを再現する「Effects」の3つのジャンルに分類されている。

このアプリでは、各タブをクリックして切り替えながら、サムネイルから使いたいフィルターをひとつずつ選び、計3種類を組み合わせることが可能だ。その際に表示されるサムネイルは、実際に読み込んだ写真にエフェクトを適用した様子がそのまま表示されるため、把握しやすい。また、フィルターごとに強さや色などを調整することも可能だ。

Photo Glamour
開発元:IDimager Systems, Inc.
価格:500円
Mac App Store>写真

レンズフレアやゴーストをリアルに再現──「Shine」

「Shine」は、カメラのレンズを通して強い光源を見た場合に生じる「フレア」や「ゴースト」と呼ばれる現象をシミュレートするツールだ。通常は画質低下の要因とされるフレアやゴーストだが、これらを意図的にフレーム内に含めることで、よりドラマチックな逆光写真に仕上げようというものだ。

逆光写真を疑似的に再現できるのはもちろん、実際に逆光で撮った写真をさらにゴージャスに仕上げたい時にも便利だ。光源の位置は画面上に表示される「太陽」マークをドラッグして調節できるほか、光源やフレアの種類、大きさ、濃さ、色などのカスタマイズも可能。単に明るい光を描画するだけでなく、光源の位置と被写体に応じて「影」ができる点などもよく考えられている。

光源の放射形状は「LIGHT SOURCE」の「Type」にある「Choose...」ボタンをクリックすると開くポップアップで3種類から選べる。作例は順光で撮った写真を逆光風にしたもの

フレアは8種類の形状から選べる。この作例は、実際のサンセット写真で太陽部分に本アプリの光源を重ね合わせてフレアを演出したもの。加工前よりドラマチックに仕上がった

Shine: Illuminate Photos
開発元:Ohanaware Co., Ltd
価格:1,000円
Mac App Store>写真

隣り合う写真同士が滑らかに融合──「PhotosBlender」

使いたい写真を中段にドラッグ&ドロップして並び順を決めたら、右下の「Blend」ボタンをクリックするだけの簡単操作。使う画像はできるだけ同じぐらいのサイズで揃えた方がキレイに仕上がる

自動生成されたコラージュ。混ざりあう幅を変えたいときは、Preferencesウインドウの「Blending Margin Size」のスライダーで重なる部分の割合(パーセント)を設定できる

「PhotosBlender」は、隣り合った写真が互いに混ざり合ったようなコラージュを自動生成するアプリケーション。使いたい写真をウインドウの中段にドラッグ&ドロップしたら、好みの順番に並び替えて右下の「Blend」ボタンをクリックすると、写真同士が溶け込んだようなコラージュが別ウインドウで表示される。

また、Preferencesウインドウでは、混ざり合う範囲や読み込み時の画像サイズなどを調整できる。作成したコラージュはJPEGやPNG、PDFなどの画像ファイルとして書き出せるほか、クリックひとつでクリップボードへコピーできる。ちなみに、初期状態のままだと水平方向に並ぶが、「Blend」ボタンを長押ししてポップアップメニューから「Blend Bottom to Top」を選ぶと、下から上への垂直方向に並べられる。

PhotosBlender
開発元:Limit Point Software
価格:1,000円
Mac App Store>グラフィック&デザイン

なお、アプリの価格は本稿執筆時点のもので、Mac App Storeでは頻繁に価格が変わるアプリがあることをご了承いただきたい。