ウォッチガード・テクノロジー・ジャパンは10月23日、インストール不要のパブリックおよびプライベートクラウドに対応したネットワークセキュリティ可視化ソリューション「WatchGuard Dimension」を発表した。新製品は、今後ウォッチガードの基幹製品である統合脅威管理(UTM)アプライアンスに標準搭載される。
WatchGuard Dimensionでは、可視化/レポートツールを提供し、セキュリティ上の問題を迅速に切り分けて隔離し、また膨大なセキュリティログからネットワーク、セキュリティ、Webアプリケーションなどの情報を分析し、ネットワークセキュリティの傾向を視覚化して管理者が最適なセキュリティポリシーを策定することを支援する。
同社のコーポレート/製品戦略担当バイスプレジデントであるデイブ・テイラー氏は、「大量のセキュリティログデータの中からネットワーク上の重要な問題を特定し、適正なポリシー策定を行うことは非常に困難であり、ほとんど不可能に近いと聞く。WatchGuard Dimensionによってネットワークログデータから瞬時に実用的、つまり何らかの対応につなげるための情報を提供し、セキュリティインテリジェンスを高め、今日の企業が求めるビッグデータの可視化という課題を解決することができる」と述べている。
WatchGuard Dimensionは、ネットワークセキュリティの可視化およびレポート機能を提供するソリューションであり、次のような機能によって、セキュリティに関連する情報を直感的に把握できるようになる。
「エグゼクティブダッシュボード」は、ネットワークアクティビティのハイレベルでのビューを提供するものだ。具体的には、傾向情報、クライアント端末情報、およびユーザやアプリケーションの相関ビューを表示できる。また、必要に応じて個別のログデータにまで簡単にドリルダウンできる。
「サマリレポーティング」は豊富なレポーティング機能が備えられており、70種類以上の総合レポートパターンから選択して利用でき、Cレベル(役員レベル)、ITやコンプライアンスの責任者、あるいは中小企業の代表者向けのサマリおよび詳細版も併せて生成することができる。サマリレポートのオプションには、HIPAAやPCIコンプライアンス対応のレポートも含まれており、組織の主要な関係者に向けて予めレポートが送信されるようにスケジューリングすることもできる。
「FireWatch」と呼ばれる階層ツリーマップでは、トラフィックをフィルタリングして、アクティブユーザや接続に関する最重要情報を一目で把握きるよう設計されており、個々のユーザや機器の帯域幅の利用状況も特定することができる。またツリーマップにはピボット、ドリルダウン、フィルタリング機能も搭載されている。
「グローバル脅威マップ」は、世界地図上でカスタマイズが可能なビューを表示させることが可能で、地域ごとの脅威をリアルタイムで明示することもできる。これらの情報により、攻撃の種類を特定し、防御対策を講じることができる。
ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン 社長執行役員 根岸正人氏は「ウォッチガードのセキュリティソリューションでは、従来から管理性の面も重視し、ユーザーがストレスなく最先端のセキュリティのテクノロジを活用できるように心掛けてきた。WatchGuard Dimensionでは一歩踏み込んで、ネットワーク上の膨大なネットワークとセキュリティのデータを可視化しつつ有用な情報として変換し、さらに安全なセキュリティポリシーの策定に生かしていくといった好循環を生み出せるソリューションである」と述べている。
WatchGuard Dimensionは、ウォッチガードのUTMアプライアンスであるXTMシリーズのバージョン11.8より利用できる。11.8のその他の主な特長として、DLP(情報漏えい防止機能)の追加、モバイル端末対応のWebユーザインタフェースへのアップデート、豊富なVPNの柔軟な設定機能などが挙げられる。