NXP Semiconductorsは、高速データ取得アプリケーション向けソリューションを1チップで提供する高性能マイコン「LPC4370」を発表した。

同製品は、204MHz動作のARM Cortex-M4プロセッサを搭載しているほか、80Mspsのサンプリングレートを備えた12ビットA/Dコンバータ(ADC)を内蔵。また、オフロード制御やUSBスタック処理などのI/Oタスク用コプロセッサと、プログラム可能なデジタルI/O(シリアルGPIO)処理、および前処理と後処理のための専用サブシステムにそれぞれ204MHz動作のCortex-M0を搭載している。また、内蔵されるペリフェラルは、オンチップPHYのHi-Spped USBや高速通信用Ethernet、ディスプレイのインタフェース用グラフィックLCDコントローラなどを備えている。

データ取得用のアプリケーションにはスペクトル分析、電流計測、デジタル信号処理、オーディオのストリーミング/処理や分析用の計装には入力、プロセッシング、出力のための複数のチップが必要になる。同製品はこれらの機能を1チップに集積することで、データのボトルネックを排除し、電力効率やノイズ性能を向上するとともに、PCB基板全体のフットプリントを削減してコストを低減し、アプリケーションの複雑さも軽減することを可能にすると同社では説明している。また、マルチコアアーキテクチャによってアルゴリズムの分配が簡素化され、大容量のSRAMと柔軟なメモリ拡張で、アプリケーションの個別の要件に合わせてメモリのタイプやサイズを自由に選択することができるともしている。

さらに同製品は同社マイコンである「LPC4300」シリーズおよび「LPC1800」シリーズとのピン互換を有している。なお、同製品はすでに提供が開始されており、価格は1万個購入時で3.96ドルから。ラボ用ツール「EA-XPR-202」はEmbedded ArtistsまたはNXPの正規販売代理店で入手できる。

NXPの高速データ取得アプリケーション向けマイコン「LPC4370」