総務省は、我が国のICT産業の国際競争力の強化に資するため、平成20年からICT国際競争力指標を策定、今般、6回目となる平成25年版ICT国際競争力指標をとりまとめ、公表した。

「ICT国際競争力指標の構成」資料:総務省 平成25年版ICT国際競争力指標

平成25年版ICT国際競争力指標は、各種調査会社等による平成24年実績値(入手困難な場合は平成23年)を活用して、「1.日本企業の世界市場における競争力(企業競争力)の観点から、各製品・サービスの品目ごとの日本企業の市場シェア」を、「2.企業立地における国としての競争力(輸出競争力)の観点から、各製品の品目ごとの日本の輸出額シェア」を、それぞれ数値により示し、我が国ICT産業の国際競争力を明らかにしたもの。

それによると、平成25年版における世界全体の市場規模は3兆469億ドル(対21年版比較で6.6%増)で、我が国企業の市場シェアは12.3%。平成21年版からの5年間では、アジア太平洋地域の企業シェアが増加(対21年版比較で3.5pt増)している。

「市場シェアの全体推移(平成21年版→平成25年版)」資料:総務省

一方、世界全体の総輸出額は1兆2,561億ドル(対21年版比較で24.7%増)で、我が国の輸出額シェアは4.3%と北米及び欧州と同様にシェアが減少しているが、反面、アジア太平洋地域は年々シェアは拡大。ICT産業全体では、企業競争力、輸出競争力ともアジア太平洋地域の台頭が見てとれる。

「輸出額シェアの全体推移(平成21年版→平成25年版)」資料:総務省

日本の企業競争力の強み・弱みは、指標の対象となっている全38品目中、日本の企業競争力が強い品目(シェア25%以上)は8品目、企業競争力が弱い品目(シェア5%以下)は9品目。総じて、「サービス」は市場シェアは大きくないが、シェア微増傾向にある品目が多く、「端末・機器」及び「デバイス」はシェア減少傾向にある品目が多い。

日本の企業競争力が強い品目(シェア25%以上)の例は、「DVD/Blu-rayレコーダ」(平成21年版66.3%→平成25年版74.1%)、「コピー機」(同65.5%→68.2%)及び「プリンタ」(同33.5%→41.4%)は高いシェアを維持しているが、世界の市場規模は対21年版比で縮小。「オプトエレクトロニクス」(同52.5%→44.4%)及び「ディスクリート半導体」(同41.2%→38.8%)は世界の市場規模が増加しているが日本企業の市場シェアは縮小。

日本の企業競争力が弱い品目(シェア5%以下)の例は、「携帯電話機」(同11.4%→3.6%)はシェアの減少が著しく、 「インフラ・ソフトウェア」(同2.4%→5.0%)及び「モバイルインフラ」(同2.4%→4.6%)は増加の傾向にある。