IDTは10月17日(米国時間)、高性能の光ネットワークや無線基地局、100GbEインタフェースなどの用途向け第3世代ユニバーサル周波数変換器(UFT)ファミリ「IDT 8T49N28x」を発表した。
同ファミリは、個々にプログラムが可能で、あらゆる入力周波数を基にあらゆる出力周波数を生成できるだけの柔軟性を有した8つのクロック出力を備えており、他のデバイスを必要とすることなく、12kHz~20MHzの標準的な積分範囲におけるRMS位相ジッターを300fs以下(第2世代は500fs以下であった)に抑えることが可能であるため、1チップで周波数変換や冗長管理、ジッター減衰を実現することを可能とするプログラマブルソリューション。
1パッケージ内に1個または2個のPLLを内蔵した製品が提供され、周波数シンセサイザとしてコンフィギュレーションした場合、安価で入手が容易な10MHz~40MHzの水晶振動子を使用して、その周波数に依存することなく、8kHz~1.0GHzの出力周波数を生成することが可能となる。また、周波数変換器としてコンフィギュレーションした場合、1つのPLLにつき、8kHz~875MHzの入力リファレンス・クロックを最大4つ受け取り、必要に応じてそれらのクロックを切り替えながら、8kHz~1.0GHzの出力周波数を生成することが可能だ。さらに、各出力は、LVPECL、LVDS、あるいは1対のLVCMOSの信号として個別にプログラムすることが可能である。
加えて、同社が提供するソフトウェア・ツール「IDT Timing Commander」を使用することにより、データシートのレジスタ表を参照することなく、簡単なプログラミングによってシステムの要件を満たすことができるようになるほか、GUIベースの制御、演算処理、状態監視によって、コンフィギュレーションのテストや微調整を行うことも可能となっている。
「UFTを過去2年間提供してきたが、デザインインした半数のアプリケーションは通信分野ではなく、医療機器やストレージ、組込機器などであった。これは、UFTシリーズの高精度、高品位といった性能が、幅広い分野におけるニーズにマッチした結果だ」と同社タイミングおよび同期製品部門のシステムアーキテクチャ,ディレクタのIan Dobson氏は語る。また、「安価な10MHz~40MHz程度の基本波モードの水晶振動子を使用して任意の出力周波数を達成可能であるほか、ジッターの大きい入力やギャップ入力を用いて出力周波数を合成することや、PLLのループから独立した独自の分数分周技術を用いることで、どのような独立クロック周波数であっても700fs未満で生成が可能だ」と、その柔軟性を強調する。
なお、同ファミリは現在、特定顧客向けに8mm×8mmの56ピンVFQFPNを採用したPLL1個搭載品「8T49N281i」と同パッケージでPLL2個搭載品「8T49N283i」、ならびに10mm×10mmの72ピンVFQFPNを採用したPLL2個搭載品「8T49N282i」の3製品をサンプル提供しているという。また同社では、追加として求められれている機能が多々あるので、将来に分かって製品拡充を行っていく予定としている。