日本ヒューレット・パッカード(HP)は10月16日、A0ノビサイズ対応のテクニカル市場向け大判複合機「HP Designjet T2500 eMFPシリーズ」と、B0ノビサイズ対応のグラフィックス市場向け大判プリンター「HP Designjet Z5400 PS ePrinter」を発表した。T2500 eMFPシリーズは10月17日より、Z5400は12月より受注を開始する予定。
T2500 eMFPシリーズは、日本市場向けに開発したコンパクトなA0ノビサイズ対応大判プリンター「HP Designjet T1500 ePrinter」に、高さ約5cmの薄型スキャナーを内蔵した大判複合機。T1500と同様、幅約140cmのコンパクトなボディサイズながら、A0サイズまでのスキャン機能、また大判サイズへの拡大コピーなど多彩な用途に対応する。
同社によると、モノクロ系3色(フォトブラック、マットブラック、グレー)を含む6色インクによる高品質な線画出力は建築・設計分野でのCAD/GISに適しており、A4からA0サイズへの拡大コピーなども行えるため、教育機関や公共機関、店舗の掲示物など幅広い分野に活用できるとしている。
プリンター部は、A1サイズのカラー線画 1枚あたり約21秒の高速プリントが可能で、ネットワークのトラフィックを軽減する「キューイング機能」を搭載するなど、T1500と同等の基本性能を備えている。
約50枚の大判プリントを出力順にスタックできる「インテグレーテッドスタッカー」に対応し、出力物の並べ替えの手間や、バスケット内で出力物が積み重なって重みで折れ曲がるようなことがないため、大量にプリントする際の生産性向上が見込める。
また、ロール紙を2本セットできるダブルロールの採用のほか、消費量の多いマットブラックインクに大容量300mlインクを用意するなど、用紙交換やインク交換の頻度が大幅に削減できるため、夜間なども安心して無人運転による大量プリントが可能としている。
T2500 eMFPシリーズは、「HP Designjet ePrinter/eMFPシリーズ」本体やプリンタードライバーを経由して、クラウド上にプリントファイルを保存、共有することが可能な無償の大判プリント向けクラウドソリューション「HP Designjet ePrint&Share」に対応する。
クラウドストレージへのプリントファイルの保存は、プリント時に自動的に実行される。保存したプリントファイルは、アプリを入れたiOSやAndroid搭載のモバイル端末から、リモートでプレビューやプリント指示を行うことが可能。
さらに、USBメモリに保存したJPEG、TIFF、PDFファイルをPCレスで直接プリントできたり、プリンターに内蔵された液晶タッチパネルから詳細なプレビューが可能になるなど、より手軽に大判プリントを実現する。アップルの「AirPrint」機能にも対応し、iOS端末からのプリントを簡単に行うことができる。
Z5400は、全色顔料系6色インクシステムを搭載したB0ノビサイズ対応のグラフィックス市場向け大判プリンター。インク消費効率を向上させ、既存のグラフィック機と比較して最大約25%のランニングコストの削減を実現したという。ほかに、「HP Zシリーズ」として初めてダブルロールを搭載している。
価格は、HP Designjet T2500 eMFP HDDが104万7900円、PSモデルのHP Designjet T2500PS eMFP HDDが128万9400円。HP Designjet Z5400 PS ePrinterはオープン価格。