Maxim Integratedは10月16日(米国時間)、USB経由でさまざまなポータブル機器を認識し、車載バッテリからの直接充電を1チップで実現する、USB充電エミュレータを備えた車載用DC/DCコンバータ「MAX16984」を発表した。
これまで、スマートフォンやタブレットなどを、車載のUSBポートを使って確実に充電できなかった。理由は、長いエンベデッドUSBケーブルによって電圧降下が発生し、充電電流が減少するためである。また、低コストのポータブルUSB車載チャージャでは、RF干渉が発生しまうという。
同製品は、これまで3つのチップで行われてきた機能を1チップに集約。モバイル機器を長い車載エンベデッドケーブルで充電するのに必要な最大2.5A駆動が可能な動的電圧調整を備えた低EMIで5V車載グレードのDC/DCコンバータ、モバイル機器とアップストリームのホスト間で必要なハンドシェークを行いモバイル機器に充電電流の増大を指示するUSBバッテリチャージング仕様1.2準拠の充電エミュレータ、堅牢な障害保護を提供する内蔵ESDダイオードと、USB過電圧保護スイッチを組み合わせている。その結果、小さなサイズで、高速かつ信頼性の高いモバイル機器充電が実現した。特に、車載ラジオ/ナビゲーションモジュール、エンベデッドテレマティクス/接続性モジュール、およびUSBデディケーテッドチャージングポートに最適という。
なお、パッケージは、5mm角の28ピンTQFNおよびQFND。AEC-Q100認定済みで、自動車用温度範囲の-40℃~+125℃での動作が保障されている。