日立ハイテクノロジーズは10月16日、米OpGenとの間にヒトゲノム構造解析における共同技術開発契約を締結し、将来的に臨床研究向けのヒトゲノム構造解析サービスの共同開発に取り組んでいくことを発表した。
次世代シーケンサの活用で、ゲノム構造解析が可能になったが、得られるデータはゲノムの断片的なもので、完全なゲノム配列の改暦には多くの工程と時間を必要とするほか、ゲノム配列内での転移や欠失などの構造変化を解析することはできないという課題があった。特に、このゲノムの構造変化は、その多くががんや自閉症、アルツハイマー病などの疾病や障がいと関連しているとされており、その迅速な解析法の実現などが求められていた。
そのような中、日立ハイテクでは、キャピラリー電気泳動式(CE)DNAシーケンサ事業によりライフサイエンスや臨床研究分野での経験を培ってきたほか、日立グループとしては情報プラットフォームを活用したセキュリティ技術などの高度なICT技術の活用が可能であり、ゲノム全体の制限酵素切断マップを迅速かつ安価に作成する技術を有するOpGenの全ゲノムマッピング技術とそれらを組み合わせることで、今後、次世代DNAシーケンサを使用して得られるゲノム配列のバリデーションや大規模なゲノム構造変化の発見など、迅速で高精度なヒトゲノム構造解析を実現するクラウドソリューションを実現することが可能になるという。。
すでに現在日立ハイテクでは、米国にてヒトゲノム構造解析クラウドソリューションの開発を進めており、これを活用することで、研究者や臨床医、将来的には患者自身が、全ゲノムマッピングデータやヒトゲノム構造解析ツール、臨床データなどにアクセスできるポータルや、ヒトゲノムの完全な遺伝子評価結果が得られる解析モジュールの提供が可能になるクラウドソリューションの提供が可能になるという。