ガートナー ジャパンは10月15日、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2013年」を発表した。
「ハイプ・サイクル」とは、2013年以降に企業のIT戦略に大きな影響を及ぼすテクノロジと関連キーワードの中で、日本国内でのトレンドを示したもの。2000を超えるテクノロジを100の分野にグループ化し、その成熟度、企業にもたらすメリット、今後の方向性に関する分析情報を示している。今年は3Dプリンティングとモノのインターネット(IoT)が追加された。
同発表の中で、3Dプリンティングについて以下のように述べられている。
3Dプリンティングは、現在「過度な期待」のピーク期にあり、ピークに向かっているという。3Dプリンティング技術は、技術開発が進み、低価格のデスクトップ型の製品が登場し、3Dプリント出力サービスや3Dプリンタを使用できる施設が設置されるなど、誰でも試作品やカスタマイズ品を作ることができるようになっている。しかし、3D造形物を作製するためには、CAD(コンピュータによる設計)データなどの3Dデータの作成に習熟し、また試作品や最終製品として使用可能な材料が必要であることを認識しておかなくてはならない。企業は、3Dプリンタの社内利用の可能性や必要性について、迅速に試作品を作製する必要があるかどうか、マーケティングやクリエイティブ部門で使用する可能性があるかどうかを検討し、自社のビジネスに利用できるかを判断すべき、だという。
今回の発表においてガートナー ジャパンのリサーチ部門リサーチ ディレクターのチェアパーソンを務める鈴木雅喜氏は、「3Dプリンティングを含めた『デジタル・テクノロジ』が、企業活動やIT部門の在り方を驚くほど変えていき、企業間の競争はこれまでとは異なるものとなり、そこには大きな機会とリスクが生まれる」と述べている。