小学館は10月15日、「間違った意味で使われる言葉ランキング」と「言い間違いされる言葉ランキング」を発表した。

このランキングは、同社の「大辞泉」編集部が、10月16日の「辞書の日」を記念して作成したもの。「間違った意味で使われる言葉ランキング」は、編集部が50個の言葉を選び、それぞれについて、「普段、あなたが次の言葉を使うとき、どのような意味で使っていますか?」という質問を行い、その結果をもとに順位を決めている。また、「言い間違いされる言葉ランキング」は、「次の意味を表す言葉として、あなたが普段使っている言葉を選んでください」という質問をもとに作成されている。

間違った意味で使われる言葉ランキング トップ10(発表資料より)

間違った意味で使われる言葉ランキング 11位以下(発表資料より)

発表によると、間違った意味で使われる言葉の1位は「ハッカー」。「ハッカー」には本来、「コンピューターで不正行為を行う人」という意味はない。しかし、新聞やテレビの報道などでもネガティブな意味で「ハッカー」という言葉が用いられる場合があり、同編集部は、不正行為を行う「クラッカー」と混同されていたり、わかりやすさを重視してあえて「ハッカー」が用いられたりするケースが多いと推測している。

2位の「確信犯」は、文化庁が発表した2002年度「国語に関する世論調査」では、本来と異なる意味で使用される割合が57.6%だったが、今回の調査では73.0%となっており、時間の経過とともに誤用率が高まっている。

また、3位の「他力本願」は、「自らの修行などによらず、阿弥陀仏の本願で救済されること」という浄土教の言葉だが、「他人まかせ」という意味も広く定着している。

言い間違いされる言葉ランキング トップ10(発表資料より)

言い間違いされる言葉ランキング 11位以下(発表資料より)

言い間違いされる言葉ランキングの1位は「間が持てない」。68.3%の人が、「途切れがちの会話などを、うまくつなぐことができない」状況を指す際に、本来の「間が持てない」ではなく、「間が持たない」という言葉を使っていると答えている。

2位は「声をあららげる」で、よく使われる「声をあらげる」は本来は誤り。しかし、「あらげる」を使用する人の増加に伴い、最近では「あらげる」で問題なしとするケースも増えている。

3位の「足をすくう」は、「足もとをすくう」と誤用されることが多い。なお、「すくう」は「下から上へすばやく持ち上げる。また、下から持ち上げるようにして横にはらう」という意味。

また同社は、年代によって語釈(言葉の意味)が異なる言葉のランキングも公開している。同ランキングの1位は「煮詰まる」で、20代と60代以上では誤用率に51.6%の差がある。同編集部は、本来の意味とは異なる「行き詰まる」という意味での使用は、2000年頃から広まったのではないかと推測している。

年代によって語釈が異なる言葉ランキング 1位「煮詰まる」(発表資料より)

年代によって語釈が異なる言葉ランキング 2位「世間ずれ」(発表資料より)

年代によって語釈が異なる言葉ランキング 3位「敷居が高い」(発表資料より)

年代によって語釈が異なる言葉ランキング 4位「思い余る」(発表資料より)

年代によって語釈が異なる言葉ランキング 5位「浮き足立つ」(発表資料より)