日本IBMは10月15日、ビックデータの処理に特化して最適化された垂直統合システム「IBM PureData System」のラインナップを拡充し、Hadoop基盤に特化した「IBM PureData System for Hadoop H1001」、ならびにNetezzaテクノロジーを実装したアナリティクス基盤のエントリー・モデル「IBM PureData System for Analytics N2002-002」の提供を新たに開始すると発表した。
「IBM PureData System for Hadoop H1001」は10月15日より、「IBM PureData System for Analytics N2002-002」は10月18日より出荷を開始する。価格は、「IBM PureData System for Hadoop H1001」が7000万円程度から、「IBM PureDataSystem for Analytics N2002-002」は6000万円程度からとなる。
「IBM PureData System for Hadoop」は、Hadoop環境の構築・運用に特化した統合型システム。同システムは、オープンソースのHadoopに対して、IBMが機能拡張を行ったソフトウェア「IBMInfoSphere BigInsights」を採用しているほか、並列処理のシステムであるNetezzaテクノロジーのフル機能を搭載する。「IBM InfoSphere BigInsights」では、ANSIに準拠したSQLでHadoop上のデータを扱えるBigSQL、プログラミングなしにデータを可視化し編集できるスプレッドシート形式のBigSheets、ハードウェアも含めてWebブラウザ経由で監視と管理ができる統合管理ツールなどを備えている。
ハードウェアは、42Uのラックにデータノードとして、2Uサイズの2ソケット・サーバ「3630 M4」を18台搭載するほか、2台のマスターノード、10ギガビットと40ギガビットのイーサネットを組み合わせている。総ユーザーデータ領域は216TB。
Hadoop環境の構築に必要なハードウェア、ストレージ、ソフトウェアを統合して最適化した状態で出荷されるため、システム稼働までの手間と時間を短縮する。
「IBM PureData System for Analytics N2002-002」は、Netezzaテクノロジーを採用した、ビッグデータ分析に特化した統合型システム「IBM PureData System for Analytics」のエントリー・モデル。これは、2013年2月に発表したハイパフォーマンス・モデルの小規模構成版として位置づけられる。
2台のブレードサーバに、ユーザーデータ格納領域として、8TBのストレージを搭載する。エントリーモデルとして、企業における事業部単位の利用や、これからビッグデータを導入する中規模企業の利用を想定しているという。
また同社は、IBMのデータウェアハウス・システムとの連携ソリューション「IBMInfoSphere Optim EasyArchive for PureData Hadoop」によって、「IBM PureDataSystem for Analytics」上のデータをインポート/クスポートすることが可能となり、システムの拡張性や冗長性を高めている。
日本IBM ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部 事業部長 望月敬介氏は、「ビッグデータは、ソリューションが整ってきており、本格導入局面になってきている。IBMでは、お客様のビッグデータは、多様化の一途をたどっていくだろうと考えており、顧客からは、統合されたプラット・フォーム、一連のビッグデータ・テクノロジー、事前に統合化されたアプライアンス、長期的・段階的な取り組みを可能とするビッグデータのプラットフォームが求められている。長期的・段階的な取り組みについては、これまでのトランザクションデータに加え、非構造化データに対応しているかどうかも問われている。これだけの製品をカバーしているのはIBMだけで、製品を拡充することで、いろんなお客様の始動をサポートしていきたい」と述べた。