トヨタ自動車は10月11日、プリクラッシュブレーキアシストや自動ブレーキに加え、自動操舵により、歩行者との衝突回避を支援する「歩行者対応プリクラッシュセーフティシステム(PCS)」を開発したと発表した。

同社はすでに2012年発売のレクサスLSに、歩行者などに衝突する危険を検知すると警報を発してドライバーに回避操作を促し、それでもドライバーが回避操作を行わない場合、プリクラッシュブレーキアシスト、自動ブレーキにより、衝突回避を支援する歩行者対応PCSを採用しているが、今回新たに開発されたPCSは、自動ブレーキだけでは止まりきれない速度や飛び出し事故に対応するもので、前方監視センサで検出した歩行者の動きから、自車との衝突可能性を予測。歩行者に衝突する危険性を検知した場合、メーター上の光インジケータにより、ドライバーに注意喚起を促すほか、それでも歩行者に衝突する可能性が高まった場合、警報とディスプレイ表示でドライバーに回避操作を促しつつ、プリクラッシュブレーキアシスト、自動ブレーキを作動。さらにブレーキだけでは衝突回避できないと判断した場合、回避スペースがあれば自動操舵が作動し、歩行者との衝突回避を支援するというものになっている。

なお、日本における2012年の交通事故による死亡者は、4411人で、それを状態別にみると、歩行中が1634人ともっとも多く、全体の37.0%を占めているという。同社では、こうした交通弱者に向けた安全技術開発に積極的に取り組んでいくとしており、2015年を目標に普及価格帯の歩行者対応PCS導入を幅広い車種で採用していく計画とするほか、今回開発した自動操舵による衝突回避支援可能な次世代型歩行者対応PCSも市場に投入していく予定としている。

今回開発されたPCSの作動イメージ