伊藤忠商事は10月11日、同社が出資する米シンボルがカリフォルニア州に完工させたデモプラントにおいて、地熱かん水由来による炭酸リチウム(純度99.9%超)を製造することに成功したと発表した。
今回シンボルが開発した製法は、高温の地熱かん水を利用することにより二酸化炭素の排出を抑え、エネルギーコストを下げることができ、天候に左右されないといった特徴を持つ。
シンボルは今後もデモプラントで技術的な検証を重ね、リチウムイオン電池用の正極材を製造する会社などに対し、原料となる炭酸リチウムなどを提供するために、今年度末までに年産1万5000トンの商業プラント1号機の建設を開始する。その後、2015年度には具体的に商業生産の開始を予定している。
なお、今回のプロジェクトは、石油天然ガス・金属鉱物資源機構による融資を受けており、伊藤忠商事はシンボルの生産するリチウム化合物について、日本・中国・韓国を含めたアジア地域における総販売代理店権を取得している。